”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

嘘の証明 - Other Side Of Lie(17年)


FBIに所属する部署、”Criminal Identification Analisis Unit"(訳してCIAU)の担当官、キャシー(ナオミ・ワッツ)はベテランで被疑者が嘘をついているかどうかを分析し判断するエキスパートである。

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舞台は一転、ボストン郊外の所轄署に勤務する、アレックス(ユアン・マクレガー)は十年前に”今夜は市内で友人と会ってきます”、、と言い残して失踪、遠く離れた土地で海に転落死した妻の墓参りの為に時間をやり繰りして教会裏の墓地に佇んでいた。彼はその死を納得出来ず一人でも捜査をするつもりだったが事件性もなく結局署内では事故死として処理されてしまった。その悲劇の後、アレックスは心を閉ざし、人を信じなくなってしまったのだ、、。



墓地から引き上げようとすると入れ替わりにやって来た妻の友人、デビーと出会う。デビーはすがるような眼でアレックスに”実は話したい事がある”と言い残し再度夜に会う約束をして別れる。一人所轄に戻り仕事を片付けてから市内の待ち合わせ場所へ出向くが結局待ち呆け、携帯電話にも応答がなく理由が判らず困惑するアレックス、其処へ事件発生の一報が、現場に向かうと大学時代の同級生でやはり所轄に勤務するビル(アーロン・エックハート)が待ち受けていた。そして遺体を確認するとそこには変わり果てたデビーの無残な姿が、、。
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所持品も何もなく当初は通りすがりの強盗の線が濃厚と思われたがビルはアレックスの亡き妻の友人だった事を思いだしアレックスに連絡したのだ。しかしデビーはとても不思議な表情を浮かべて息絶えていた。アレックスは強盗に見せかけた犯行を疑い”CIAU”のキャシー(N・ワッツ)に協力を要請する事に、。

同時に所轄ではデビーの夫、チャーリーに任意出頭を要請し取調室で事件前後の詳細を聞き出す事にする。そのミラー窓の向こうにはキャシーが録画機を設置し細かい分析を始めるのだ。どうもその結果、チャーリーの言動や手の動き、態度から何やら隠し事をしていると判断するキャシー、しかし彼女の推量だけではどうにもならない。所轄では強盗の線を捨てずに捜査班を容疑者確保に専従させる。

ところがまもなくデビーを殺害したと思われる男が遺体で見つかる。男は地元の暴力団員で、人けのない階段で酔って足を滑らせ頭を打って死亡したようだ。恐らく奪ったデビーの金を使い飲み屋にいたのでは、、更に男の部屋からはバッグや犯行に使ったとみられる血の付いた凶器も発見される。全く接点のないこの二人、やはりこれは通り魔的犯行だったのか、?しかしアレックスはキャシーが指摘しているようにどうしてもデビーの悲しげな最後の表情が気にかかるのだ、。

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そしてキャシーとアレックスは独自にチャーリーの足取りを追いながら彼の経済状況を洗っていくのだ、、するとそこには驚愕の事実が、、。

さてどうしましょう、、此処まで書いたのだがこれ以降はネタバレだし。

実はこのお話は既にテレビドラマ化されているのです。”犯罪分析捜査官”と言うタイトルで主演には片平なぎさが扮し捜査一課の班長内藤剛志、そして大学時代の友人、かつ所轄の刑事が布施博、、でした。脚本を林誠人、監督が鈴木浩介で実に味わい深い上質の犯罪ミステリーになっていたのです、、、思わずハリウッドへ売り込むべく上記配役を独断と偏見で決めました、。

お話の方はその後一転二転、、ああなってこうなってやっと容疑者が現れてとこの手の”○○ミステリー劇場”としては勿体無いくらい、、評価だって☆☆☆、☆と四個並べたくなるような極上のドラマでした。プロットの捻りが効いていて最後までダレず飽きずで真犯人も最後まで判らない、、こりゃ思いがけなく大満足出来る一作でした。日本の放送局だってやれば出来るじゃん、、何でこんな秀作プロットをハリウッドで映画化出来んのかなぁ??と思いつつプロデューサーとスポンサーの気分になって配役を考えてしまいました、。