”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”女神の見えざる手”(17年)

なんじゃ~、、、この邦題、それに誰だこんなタイトルにしたヤツはっ!!出て来い。これはもう映画界への冒涜だ、原題は”Miss Sloane"、、、そりゃ確かに”スローン女史”じゃ誰も見に来ないわな、、でも”女神の見えざる手”じゃもっと観客は動員出来ないだろう、、もう情けなくてブログを更新する気力も失せる。



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悔しいから調べたら日本じゃ”誰も見てない”、、っと言うか評価される舞台にも載っていないのだ。確かに邦題の発想は弁護士の主人公が悩み悩み抜くので”女神”が揺れる気持ちも判らないではない、それに”見えざる手”も確かだ、、でもなぁ、こんな秀作に付ける邦題じゃないだろう?ちょっとこの邦題には憤慨している。ガックリ度を星にするともう完全に☆、、でも映画は☆☆☆☆、、としても良い程の力作、、秀作である。

主演のジェシカ・チャスティンはワシントンで働く有能な弁護士、それも専門は政治ロビイストなんだが、、この辺は日本じゃ馴染みがないが極論すれば”草の根活動を通じて政府改革案にまで影響を及ぼす、、”と言えば良いか、。まあ日本では本音と建前が正直過ぎてしまいそのお陰でアメリカ各地に慰安婦像が建造されたりとか根本的に間違った認識が広がっている、そうならないように事前に国益に沿った地道な活動を通じて各派の議員や議会に働きかけるものなのだが、、と言えばその重要な役目はお判り頂けると思う。

そんな場で活躍するのがミス・スローン(J・チャスティン)で彼女を他社からヘッドハンティングして来るのがシュミット、(マーク・ストロング)である。ウィキには、、;

エリザベス・スローンは政治ロビイストの世界で畏敬の念を持たれるほど有能なロビイストである。彼女はどんな依頼も成功に導いてきた。そんな彼女はある依頼をきっかけにライフル業界と対立することになる。圧倒的な資金力を持つ難敵との戦いの中で、スローンはあらゆる犠牲を払って突き進み激しい反撃を受ける事になるが、、

っと書かれておりアメリカでは実にタイムリーな話題だ、反対派は”銃を持つのは個人の権利、ましてや自分を守る手段だ”と言い放ち、擁護派は”身近に犠牲者を抱えもうこれ以上野放しには出来ない”、、、と双方の主張がぶつかるのだ。そんな社会の風潮の中で活躍するスローン女史、手段を選ばず過激な手法で相手を追い詰めるそして証拠を揃える、、強引な所もある。このスローンの手法に途中離脱する部下も出てくるし実際、ヘッドハンティングされて別の弁護士事務所へ移籍した時も6人かの部下と一緒だったが全員が彼女の手法に満足している訳ではない、、。

それに個人の生活に於いてはどうも良からぬ性癖もあるし見ていてもこれが後半アダにならなければ、、、と言う懸念がそのままストライクゾーンへ、、そして最後は国会議員が開く公聴会に召喚される事になり否応なしに証言させられる、、その公聴会でのどんでん返し、佐々木小次郎のツバメ返しじゃないミス・スローン流が、、熟考し虎視眈々と準備していたであろう仰天プランが実施される、、これはかなりスカッとするし全然想定外の展開には”開いた口が塞がらない”、。ご覧になると判るが最初、これは確信してやった事ではなくてやっているうちに自然にそうなった?とも思える脚本がこれまた素晴らしいのだ、無論、スローン嬢を演じたジェシカはもっと素晴らしい、。

これはもっともっと評価が高くても良い映画だ、、それにはやはりこの邦題がいかんぜよ、、キー・ワードは”弁護士”、”銃ロビイング”、”衝撃の結末”、、”裏切り”、”苦悩”、”ワシントン”、、ならば”スローン女史、危機一髪!”、、ダメだこりゃ、、。