”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”現金に手を出すな” (54年)

このフランス映画はジャン・ギャバンジャンヌ・モロー主演、それに新人のリノ・ヴァンチュラが抜擢され1954年に公開されたまさにフランスのフィルム・ノワールジャン・ギャバンが50歳の頃の代表作だ。原題はそのままに”Touchez pas au Grisbi”、実に素晴らしい邦題でそれに相応しい内容の映画だった。

ウィキに書かれた概略は、、;

仲間同士の仁義を重んずる昔気質のやくざ者と、彼らに手段を選ばず取って代わろうとする新興ギャングたちとの金塊争奪にまつわる闘争を主題に、老いを迎えた闇の世界の男たちの寂寥をも描いた、アメリカンギャング映画とは異質なタッチの作品である。ギャング映画に付き物の銃撃戦などアクションシーンも含まれるものの、重点は登場人物同士の会話や行動を通じた細やかな心理描写に置かれ、枯淡な風格を備える作品となった。

 

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後に制作されたアンリ・ヴェルヌイユ監督の”地下室のメロディー”はアラン・ドロンが共演だったがやはりこれと同列の強奪事件になっている。衝撃的なエンディングは双方とも実に見事に”現金(ゲンナマ)には手を出すな”になっているのだ。

実はこのタイトルはかなり意識して付けたのだがあっち、アミーバに投稿したものでそれをリブート、コピペすると、、こんな具合であります、、;

 

日本年金機構のお世話になっているシニア達にはこの4月15日は60日も待った年金支給日だった。銀行や郵便局の金融機関窓口には開店前から人が並んでいる。それもマスクをして間隔を取って、、やはりこれは日本独特の”現金社会”のなせる技なんだろうか?確かにシニアでインターネットを自由に使いこなし自身の持っている口座に直接振り込りこますってのは至難の技なのか?それとも現金を握ってないと落ち着かないものなのか?

 

携帯電話もそうだが一気に普及し始めたのは92年頃だったと思う。インターネットも同じ頃に利用が可能になり98年とかにはかなり利用勝手が向上しブチブチ切れたり毎回アクセスし直すなんて事も無くなって来た。そんな環境が整ったのが20年前だとして当時還暦を迎える世代ではかなり真剣に取り組まないとその恩恵には預かれなかった気がする。日本じゃその間もずっと預金通帳に印鑑が一番大切なものだったしそれはこの2020年になってもちっとも変っていないのだ。

 

なのでそのネット社会から落ちこぼれてしまったのは現在80歳を超える後期高齢者世代になる。ワタシの知人でもオーストラリアに於いてパソコンさえ一切使いこなせない人たちが何人もいた。無論それには”英語”と言う障害が立ちはだかっていたのでPCを使う以前に書いてある事を理解するのが先決だった。

 

ことオージーに関してはかなり上の世代でもインターネットの扱いには慣れていた気がする。その理由として政府の各部署では人件費を下げる狙いがあってすべからずネット経由じゃないと申請さえ出来ないと言う環境に変化していった事が真っ先に挙げられる。これには税務申告から年金申請、社会保障の各種手続きに移民局での申請にパスポートやら運転免許証まであらゆる分野でコヤツを使わないと何も出来ない事態に移行していったのだ。無論、銀行でさえ窓口はどんどん縮小され銀行が発行する通知書だって(日本の銀行通帳)印刷されたペーパー通知を毎月送って貰うとなると余計なお金が掛かるのだ、。

 

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日本じゃやっとキャッシュレスの時代到来だぁ~、、と言っているがかの国じゃそんなモノはとっくの昔に”常識化”されていてATMで現金を下すのは精々20ドルとか40ドル程度(第一制限があってそんなに下りない)状況だ。まあこんな事に至った経緯は欧米では何処もそうだがかなり長い間ずっと個人でも小切手帳を持ち、それで決済をしていた。大きな金額でも紙面に金額を入れ、サインするだけで現金化が可能だったし店舗側でも現金は受け取るよりこの小切手清算を好んでいた。そんな歴史があるのでキャッシュレスに移行するのはこりゃ自然の流れだったように思う、、。

 

まあ日本じゃマッタクそれとは反対の方角へ行っちまったお陰でいまだにタンス預金が蔓延しているそうな、、何とその額たるや日本銀行さんが把握している数字が日本全体で43兆円にもなるらしい、。

確かに銀行へ預けて置いても金利が付くわけじゃなしそもそも銀行から下ろすたびに手数料を取られたんじゃ頭に来る、その反論も判らないではないのだがそんな大金がタンスに眠っているだなんてこれは日本独自の文化と言って差し支えない。恐らく先の金融機関に並んで年金を現金化しているシニア殿はこうしてタンスに忍ばせているんだろうか??

その肝心のキャッシュレスだって当初はオリンピック開催を目指しやって来る訪日外国人に便宜を、と言う発想だったと思う。それでもそんな政府の掛け声にはお構いなくこの札幌じゃ各種お役所、郵便局に街中の眼医者、歯医者、内科診療にクスリを出す薬局から獣医さんまでクレジットカードを受けてくれるところなんぞありゃしない、。恐らくカード会社へ払う手数料をケチっているんだろうが窓口に現金を集めそれを毎回銀行へ持参、更にはつり銭まで用意しなきゃならずこれはもう3%の手数料には代えがたい煩雑さじゃないのだろうか?それに利用する側の事情ももっと考えて欲しい、、。

ギャング同士で”現ナマに手を出すな”と言っていたのが何時の間にやら”タンスの現ナマに手を出せ”って事態に発展している、、?

そのタンスに眠っている埋蔵金が一斉に公的機関や国債、公庫へ流れ込んだらそりゃ凄い事になるんだが、。因みにこの”日本国、人民埋蔵金”は2012年度のオーストラリア全体の国家予算(歳入の部、43兆円)に匹敵するのだ。こんな国は世界広しと言えどもそんじょそこいらにはないのだが、、。