本名はそのまま、Charlotte Rampringで1946年イギリス生まれの女優さんだ。パパはゴッドフリー・ランプリングと言う水泳選手でベルリン大会の400mリレーで金メダルに輝いた正真正銘のオリンピアンである。
フランス語に堪能な事からロンドンで秘書業に就いていた時にスカウトされ、その後”修行”を積んで映画にデビュー、初登場は1965年の”ナック”(”The Knack”)で主演はリタ・ツーシンハム、リチャード・レスターが監督だったが何ともヘンテコな映画だった記憶がある。まあこの映画ではタイトルに名前も出ずだったが次の”ジョージーガール”(66年)ではちゃんと名前入りを果たした。
それからはかなりの作品に招かれて”知的な妖艶さ”を振りまいてくれた。でもやはり映画としてはどうって事は無いのだが1974年の”愛の嵐”、何故か原題は”The Night Porter”と言うのだがそれが実に見事な邦題に、これは完全に原題を超えたタイトルだったと信じている。
この映画で魅せた上半身裸でサスペンダーを吊りナチの将校の帽子を被って踊るシーンには100%圧倒されたしその長い映画史上でも必ずや列記される程に衝撃的なシーンだった。恐らく彼女の芸歴を振り返る場合、誰もが認める一世一代の名場面として語られるのではなかろうか?
それからは70、80、90年代と出演作を重ね2015年の”さざなみ”(”45 Years”)では遂にアメリカでアカデミー賞にもノミネートされベルリンやロスアンジェルスの映画祭では見事に主演女優賞を獲得している。これはトム・コートネイがご主人役で彼女は45年も連れ添った奥さん、ケイトを演じた。
この映画はごく日常的な夫婦生活の中で45年が経過、ある日ご主人の元に届いた一通の手紙がまさにその”さざなみ”を起こしてしまうと言うストーリーでその通知は50年前に登山中に行方不明になった元恋人の遺体が発見されたと言う知らせだ。激しく動揺するご主人、もうこの世には存在しない元恋人に嫉妬するケイト、そんな感情を周りには抑えつつ自身の心の葛藤を見事に演技したシャーロットの独壇場だった。
”さざなみ”(15年)"45 Years"の二人、。
最後の場面では45周年パーティの会場に立つ二人、出席者に微笑み拍手に囲まれるのだが手を絡めようとした夫の手をさりげなく振りほどくケイト、、これは実に素晴らしい演出、演技、設定、背景ではなかったろうか?オレがもしそうやられたと思うと夜も寝れなかった、、(泣)。