”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”大いなる西部”(58年)

ウィリアム・ワイラー監督になる壮大な西部劇だ。これは面白い事に”ベン・ハー”の翌年に公開された作品で”ローマの休日”にグレゴリー・ペックを抜擢してから5年後の事である。仮に”ベン・ハー”が先に制作されていたら恐らく主演の二人、グレゴリー・ペックチャールトン・ヘストンは役柄が入れ替わっていたかも知れない、、そんな印象を持つ3時間超えの大作だった。

 

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配役はジム・マッケイ(G・ペック)- 東部で成功した事業者でパトリシアと結婚する為に、このテキサスの町へやって来る。

ティーブ(C・ヘストン) - 大牧場の牧童頭、少佐と呼ばれる大地主に少年の頃に拾われそれ以来忠実な手下として牧場で働いている。

ジュリー(ジーン・シモンズ) - 学校の教師だがこの地で祖父から受け継いだ広大な土地を守っている。

パトリシア(キャロル・ベイカー) - ピックフォード家、少佐の一人娘でジムの婚約者。

ヘンリー・テリル少佐(チャールズ・ピッグフォード) - 大地主でヘネシー家とは昔から家畜の飲み水を確保するしないで対立している。

ルーファス(バール・アイブス) - テリル大佐と対立している大地主。

バック(チャック・コナース)- ルーファスの一人息子、粗悪で悪い牧童とつるみやり放題の極道だ。

 

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そんな主要の配役で彼らの人間模様をテキサスの大地に描いている。時代は1870年代らしいがまだ腰には拳銃、相手が抜いたら自分も撃って良いとかの法律がある。

そんな町へやって来たジム・マッケイはパトリシアと馬車でテリル少佐の待つ牧場へ向かうのだが途中、酔っ払ったバックとその一味にいたずら半分に急襲されジムは無抵抗でやり過ごそうとする。相手の挑発にも乗らずあくまでも冷静に対処するジムだがどうもパトリシアにはそんな冷静沈着な彼が物足りないようだ。

その序盤からジムの温厚振りとスティーブの如何にも西部の男らしい粗野で荒っぽく敵の挑発には瞬時に反応する西部魂との違いが鮮明になって来る。映画の中心はこの二人を対比させ其処へ二人の大農場主、更には豊かな水源を自分の農地内に持つジュリーとが絡み合いが見せ場になる。

後年、”西部開拓史”と言うシネラマ方式で撮影された大スペクタル映画があったがあの映画の一部を切り取って拡大したような作品だ。チャールトン・ヘストンは後年、数々の西部劇にも出ているがやはりイメージとしては史劇の主人公がお似合いじゃなかろうか?その点、グレゴリー・ペックは現代ものから戦争モノ、そしてコメディまで幅広い活躍振りで楽しませてくれた。