”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ベン・ハー”、、そのメイキング

クリスマスと言う配慮だと思うのだが昨晩始めてこんな”映画”を見た。映画と言っても映画制作の裏話を一時間に編集したものでそれをクリストファー・プラマーが解説している。
 
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1959年制作、日本では確か翌年公開され今では考えられない一年以上の長期ロードショー、ロングランを記録した。まあ映画本体が3時間半の大作なので上映回数が制限されたってのがその理由でもあるのだが、、。
 
東京銀座のはずれテアトル・東京と言う映画館で70mm方式で大画面に上映された。祖母に連れられ何も判らないなりに劇場に入った事を鮮明に覚えている。
 
実はこの59年度版はサイレント時代を含め3回目のリメイクだ。原作を書いたルー・ウォーレスはフィクションではあるが巧みにイエス・キリストや他の人物を織り交ぜ読者はどこまでが本当なのか果たしてベン・ハーは実在の人物かと思いを巡らしたそうな、、それが世界的ベスト・セラーに繋がった。毎年この季節になるとこうして特集やら本編が繰り返し上映されるのもやはりキリストの生涯を描いているからだろう。
 
今更映画の解説もないだろうが中心はローマの司令官としてエレサレムに赴任して来たメッサラ、ベン・ハーとは親友同士なのだがその二人がある出来事を堺に憎しみ合う間柄に、、そのメッサラの理不尽な要求と悪人振りは天下一品、演じるのはスティーブン・ボイドである。
 
ベン・ハーを演じたチャールトン・ヘストン、今思えばこの人っきゃいないと思うのだが当時は他にポール・ニューマンロック・ハドソンバート・ランカスターなどが候補として挙がっていたそうな、、。
 
後年ハリウッドのビヴァリー・ウィルシャーと言うホテルでこのベン・ハー氏に出くわした。確か82年くらいのことだがワタシはロビーから回転ドアーを使って外へ出ようとしていた。そこへ外側から堂々たる体躯の紳士が回転ドアーを使わずに横にある開きのドアーを押そうとしている、、とっさに内側に引いてあげその紳士を先に通したのだが、、それが何とこの人、ヘストン氏であった。普通なら”サンキュウー”だが彼は間違いなく”マッチ・オブラージ”(感謝感謝、、見たいな意味合い)と言った。思わず辞書で調べた、、流石この人は普通の人が言うような事は言わないんだ、と、しかし見惚れるほどにオーラ満開、素晴らしい出会いであった。
 
戦車や海上バトルのシーンは当時CGも何もない時代、良くやったものだと思うがどうだろう21世紀になってそろそろ4回目のリメイクをしてみては、、最新技術を駆使してあのシーンを再現して欲しい。でも良く考えると、、配役がいない、。チャールトン・ヘストンやスティーブン・ボイドに代わる人がいないじゃないかぁ??下手な映画にするよりそのまま歴史に残しておくか、、、。