”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”荒鷲の要塞” (68年)

この映画の原作はスコットランド生まれのアリステア・マクリーンが57年に書いたもので、映画化では大ヒットした”ナバロンの要塞”の後に書いたものだ。彼は1922年生まれだが執筆を始めたのは1954年頃だった。007で一躍有名になったイアン・フレミングは1908生まれで大分先輩だが初めて007を主人公に据えた”カジノ・ロワイヤル”を書いたのが1953年、、なのでイギリスVSスコットランドの違いはあるがその執筆スタイルは何時も読者に比較されていたようだしご本人も大分意識していたそうだ、。

まあ彼の本筋は戦争を背景にした冒険小説でその中にスパイがかなりの頻度で登場して来る。もうどっちが味方で本当に敵に通じているスパイは誰だぁ~、、となるのでイアン・フレミング爺が描くところの女性に弱い、ギャンブル好き、冷酷、飲食に造詣が深くスポーツ万能な主人公と寡黙で任務に忠実な主人公達を比べるとかなり違いがある。

 

f:id:guch63:20200610205506p:plain

この”荒鷲の要塞”でも主人公達は骨太で冒険心満載、誰が本当のスパイなのか誰が二重スパイなのか最後まで判らないのだ。この映画の背景はかなり”ナバロン”に似ている、、その攻め入る難攻不落と思われるアルプス山脈の絶壁に建てられた要塞は原題の”Where Eagles Dare”で”鷲でも着地出来ない場所”から来ている。

こんな展開だ、、;

第二次世界大戦の最中、ヨーロッパ大陸反攻作戦を担当するアメリカ陸軍の将軍、カーナビーが飛行機事故によりドイツ軍の捕虜となる。連合国の最重要機密の漏えいを防ぐため、イギリス軍情報部(MI6)のローランド提督とターナー大佐は救出作戦を立案。スミス少佐(リチャード・バートン)を中心とするイギリス軍情報部員6名と、アメリカ陸軍レンジャーのシェイファー中尉(クリント・イーストウッド)からなる混成部隊が結成される。

カーナビー将軍が収容されているのは、アルプス山脈の断崖絶壁に建てられた「鷲の城」(Schloss Adler)と渾名される難攻不落の城塞である。一行はカーナビー将軍救出のため、この「鷲の城」に向かう、、と”ナバロン”はその断崖に備えられたデカい大砲をぶっ壊す任務だったが今度はスパイ捜しが主題になっている。

これは最後の最後まで真犯人、、じゃなくて真スパイが誰か判らない。途中でアイツは絶対怪しいよな、、と思っても違ったりして最後はあっとのけ反る展開に、、。イーストウッドも若いしリチャード・バートンもこんな戦争スパイものは実にぴったりとハマっている。

それに典型的なアメリカンの将校とイギリス紳士を対比させ性格や言葉の違いが歴然と判る二人の活躍がクライマックスを支えているし最後の最後までドキドキハラハラの展開、”荒鷲”だって”ナバロン”に負けてないぞ、。