”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”13デイズ”(2000年)

原題は”Thirteen Days”、、そのまま邦題になっているがそうなると”じゅうさん・デイズ”って読むんだろうな?その昔、”5月の7日間”(”Seven Days in May”)と言う秀作があったがあっちは完全なフィクションで米ソの核戦争対立を描いた映画だった。

こっちの”13日間”はキューバを舞台にしたポリティカルスリラーでJFケネディー大統領が苦悩する米ソの一発即発を描いている。背景は1962年の10月に実際に起きた出来事でその米ソの緊迫したやり取りがメインテーマだ。

 

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”Thirteen Days” 2000

主演の大統領顧問、ケネス・オドネルにケビン・コスナーが扮しケネディ兄弟の兄はブルース・グリーンウッド、弟のボビーがスティーブン・カルプと配役されている。このケネス・オドネルはジョン・ケネディとはハーバード大学で出会って以来、大統領選挙に出馬する際の参謀、その後はホワイトハウスで彼の特別顧問として手腕を振るった。

実際にはケネディ大統領がダラスで暗殺された際には車列に同乗していたし弟のボビーとも”仲良しクラブ”だった、。そのボビーも68年に暗殺され親友兄弟を連続して暗殺されたケネスはかなり落ち込んだ生活に走ってしまい5人も子供が居たのに奥さんに先立たれ遂にアルコール依存症に、そして77年には亡くなってしまった。

映画の方は62年の10月、米空軍のスパイ機がキューバ上空で大型大陸弾道弾ミサイルを撮影した事に始まる。更に海洋にはキューバへ向かうソ連軍の戦艦や輸送船などの船団が確認される。アメリカの目の前にミサイルを配備された事で慌てるケネディ大統領一家、果たしてソ連軍の思惑は何処にあるのか?この軍備配備はキューバを助ける為かそれとも対立をエスカレートさせるだけなのか、、。

そんな緊迫した2週間が描かれるのだがホワイトハウスにも戦争推進派や慎重派が居る訳でそれと同じような出来事がソ連内部でも起きている様子だ。首相と軍部の対立なのか或いはクーデターの可能性はあるのか、、実際に起きた”事件”なので結果は判っているのだが最後までホワイトハウス内の駆け引きから目が離せない。かなり出来の良いポリティカルスリラーに仕上がっている。