”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ザ・インタープリター”(05年)

ニューヨークの国連で同時通訳として働くシルビア(ニコール・キッドマン)はある日、忘れ物を取りに自分のいたブースに戻ると暗闇の会議場から聞こえてきたヒソヒソ話を耳にしてしまう。それはアフリカの少数民族派が使う方言でとある小国の大統領暗殺の計画だったのだ、。

この出だしはいきなり絶好調、、ニコール・キッドマンも若いし魅力満点だ。ミステリー仕立ての暗殺計画、さて一体誰が暗躍しているのか、、シルビアは直ぐにUNの警備局長を通じてシークレット・サービスやFBIにも相談するのだがどうも誰も本気にしてくれない。特に警備担当として選出されたトビン(ショーン・ペン)は彼女の経歴を調べたりするだけで逆に彼女を疑う始末、そんな暗殺計画など全く信じていないようだ。

イメージ 2監督はシドニー・ポラック、3年後に亡くなったのでこれが最後の監督作品になってしまった。74年には高倉健岸恵子ロバート・ミッチャムをメインキャストで”ザ・ヤクザ”と言う日米合作の監督もやっている。この映画ではハリーと言うロスアンジェルスの探偵をロバート・ミッチャムが演じていた。高倉健は劇中、田中健と言う役名でヤクザの幹部役、、もう完全に一連の”健さんのヤクザ路線をそのまま継承している作品”だった。ハリーが友人から依頼を受け日本へその娘を取り返しに来るのだが合作なのに日本の描写がチト、チンチクリンでワタシからは悪評だった。

ああ、話が逸れちまった。その”ザ・インタープリター”(カタカナで書くと何やら新種のプリンターみたいだぜ)、、こんなのはもっと気の利いた邦題にしてくれないかな?”通訳は聞いた”とか、、”暗殺の囁き”なんかじゃダメなんだろうか?(´▽`)。

お話はその後、シルビアが実際に襲われたりその小国の大統領に対立する派閥の登場でトビンもやっと本気に、そして一気にこの暗殺計画が信ぴょう性を帯びてくる。街中で暗殺者を追う場面を執拗にカメラが追ったり国連ビル全体を警備したりと大統領渡米の時間が迫る緊迫した場面の連続である。

イメージ 1この映画が公開されて数年後だったが今度は同じような雰囲気でやはりニューヨークを舞台にした”The International"と言う映画があった。流石にこっちは”ザ・インターナショナル”じゃなくて”ザ・バンク 堕ちた巨像”とこっちも訳のワカンネー邦題だったな、。配役もナオミ・ワッツ、それにクライブ・オーウェンでこれだけ時間が経過するともう二本ともどっちがどうだったか、混乱している。こっちはクライマックスの舞台がグーゲンハイム博物館、”ザ・インタープリター”の方はそりゃ国連の建物だった、。

映画の導入部、そしてシルビアが信じてもらえず苦悩する場面、それに今度はどうも彼女自身にも話せない秘密がある様子、そして暗殺者は何処へ紛れ込んでいるのか、、更にはトビンにも話せない過去があるみたいでまさに謎が謎を呼んで輪っかになって悪あがき、そんな印象だがクライマックスまで手に汗握る展開は良かった。