”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”87分署シリーズ by エド・マクベイン”

エド・マクベインと言うアメリカの小説作家、1950年代後半から警察署を舞台にした刑事モノを多く書いており度々映画化もされている。所轄の警察署とその捜査一課で奮闘する刑事ドラマの走りでもあり”87分署シリーズ”として世界中に翻訳文庫が出版されていた。

 

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背景はアメリカの東海岸にある都市が舞台だがこれは明らかにニューヨークで、出て来るアイソラと言う街は架空の街である。先日何気なく番組表を見ていたらこの”87分署”と言うのが目に入った。内容をチラ見したら”誘拐事件の犯人が間違って狙っていた社長さんの息子じゃなくてお抱え運転手の息子をさらってしまう”、、と書いてある。

ありゃこれはかの有名な”キングの身代金”(60年)、じゃないのか?かつては黒澤監督がモノクロ画面で撮影した名作、”天国と地獄”(63年)だよ、。そうと判れば見ない訳にはいかん、、っで録画して置いた。

そしたらメインタイトルが”わが町 V”となっている、間違って録画したのかと思ったらそうじゃなかった、”わが町”と言うタイトルで全10話構成のドラマになっていた。舞台はニューヨークから一気に東京の月島へ、その”西月島警察署”を舞台にした刑事モノでした。制作されたのは1994年と古いが当時は日本にもう居なかったので絶対に見ている訳はない、。

そのシリーズの第5話が”勝てば天国負へれば地獄!幼児誘拐犯VS刑事達”、とかなり黒澤監督を意識した副題じゃないか?

 

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配役は渡辺謙、佐藤B作、平田満蟹江敬三河野太郎、等の七人の刑事で彼らがレギュラーらしい。お話の進行具合はそっくり”キングの身代金”で間違ってお抱え運転手の子供を誘拐してしまった犯人たちがどうするか?それと自分の子供じゃなかったと判った社長さんとその奥さんがころりと態度を変える様子、更には現金一億円を身代金として受け渡す場面などかなり緊迫感を持って描かれている。

 

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黒澤監督版とは最後が違うがこれも同じ設定にしたんじゃ名作にシツレイだと思った結果なのか二人組の犯人が国外逃亡を図り刑事達が成田空港へ駆け付けるも時すでに遅し氏、、飛行機は離陸した後だった、、。ところがその機内に妊婦さんがいて産気ずき成田へ戻って来て犯人逮捕とちょっとあっけにとられる終わり方だった。まあそうでもしなけりゃ見ている側の欲求不満は収まらないよな、。