”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”許されざる者”(60年)

ちょっと今日はややこしいお話を、、洋画ファンなら”許されざる者”と聞けばクリント・イーストウッドの監督、主演した1992年に制作された映画を思い浮かべる。邦画ファンなら間違いなく渡辺謙が主演した2013年の邦画、”許されざる者”じゃなかろうか?

ところがもう一本1960年に同名の映画が制作されている。主演がバート・ランカスターで共演したのがインディアン娘として登場するオードリー・ヘップバーンだ。此方の監督はジョン・ヒューストン、更に言うとジョン・ウェイン主演で1956年には”捜索者”と言うジョン・フォード監督になる秀作もあるのだ。まあタイトルは違うのだがこれが同じ原作者、アラン・ルメイと言うアメリカの作家が書いていて扱われた題材が保留地へどんどんと追い込まれて行くアメリカ原住民のお話が縦糸になっている。

この”許されざる者”ではレイチェル(A・ヘップバーン)の出生の秘密がテーマでアイオワ族出身なのかどうか、、そして”捜索者”ではコマンチ族に連れ去られた姪のデビー(ナタリー・ウッド)を主人公が探し求めると言う内容だ。

 

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今回この”許されざる者”を見ながらその内容がどうも自分の中でごっちゃになっている気がした。無論、両方とも以前に何回か見ているのだがてっきりレイチェルは自分の意志でアイオワ族の部落へ帰ってしまいそれを兄のバート・ランカスターが連れ戻すお話だと勘違いしていた。

それは”捜索者”の方で最後にジョン・ウェイン叔父さんに連れられて帰って来るのがオードリーじゃなくてナタリー・ウッドだった、、。レイチェルは終盤自身も銃を手にして”オレは兄貴だ”と言って襲撃して来たアイオワ族の酋長を返り討ちにして撃ってしまうのだ。そして兄妹として育てられて来た兄ちゃんと結ばれると言う展開で自分でもどっちの映画を見ていたのかかなりあやふやな印象だった、。

 

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このオリジナルとでも言えば良いのか”許されざる者”の原題は”The Unforgiven”、そしてクリント・イーストウッド版が”Unforgiven"となっていてTheが付くかつかないかで区別が出来るが邦題となるともう区別がつかない。

 

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今回拝見した1960年度版はIMDbの評価では6.7、そして92年度版は8.2と高評価だ。それには異論はないしその通りイーストウッド版はこりゃ異色西部劇としても名作ではないだろうか?オードリー・ヘップバーン扮するインディアン娘役は別格として、、。