”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ねことじいちゃん”(19年)

動物写真家の岩合光昭が監督も兼ねて撮った映画、どうも原作はコミック本らしいのだがそれは忘れて実写映像だけを追ってみた。背景は三河湾(?)に接する何処かの小島、猫がそこいら中に思い思いに生活している。以前、見たような風景もあるのでこれは岩合氏が撮影された猫の生態がそのまま生かされているのではなかろうか?

ともあれ配役は主役のじいちゃんに立川志の輔、以下柴咲コウ、柄本裕、小林薫、亡くなった愛妻に田中裕子とオレでも知っている俳優陣だった。そして”たま”と言う猫を演じたのがベーコンと言う名前のニャン子らしい。このたまが実に巧い、恐らく時間を掛けて勝手気ままに動き回る姿を追い、編集したモノとは思うのだが実に根気と忍耐力が必要な場面の連続だった。

 

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ストーリーはそんなに大きな山もなく谷もない、静かに流れる時間の中で猫たちが気ままに歩き回り遊び回るドキュメンタリータッチの場面が続くのだ。小さな島で、じいちゃんを演じる立川志の輔は学校の先生だったらしい、妻を2年前に亡くし今はこの島でたまと二人暮らし、息子夫婦は東京に住んでいるようだが”一緒に住もう”と言われてもこの島から出て行く積りは全くないのだ。

そんな島へ美智子(柴咲コウ)と言う若い女性が都会から移住して来て小さなカフェを開業する。其処が何時の間にか町民の憩いの場になり調理教室の場になり、じいちゃんは愛妻が残して行ったレシピブックの続きを悪戦奮闘しながらも続けて行く場所となる、っとそんな内容のお話になって行く。

温暖な気候の中で猫たちが気ままに生活し、住民たちがそれを見守り育てて行く、猫たちにしてみればまさに理想郷だ。他には郵便局の局員、それに町医者の先生、漁師さんに夫を亡くしたおばあちゃんたち、いがみ合う人たちもいるのだが実に平和で浮世離れしたこの小島、人間に取ってもこれは理想郷ではなかろうか?

現にじっちゃんだって都会へ出て息子たちと同居するのを断って、最後はこのたまとずっと一緒に島で生活する道を選んでしまう。タイトルは”猫の楽園”としても良いくらいに猫好きにはタマリマセン、。エンドロールにはこの島、全域に住んでいるチャンズ全部の名前が登場するのだ。癒される映画でした。