原題は”Wallander”と言う刑事モノだが舞台はスウェーデンの片田舎、それをイギリスのBBCが全編英語で制作している。元ネタの原作はへニング・マイケルと言う推理小説作家が書いたものらしいがそれをケネス・ブレナーが主演、そして制作総指揮も兼任で携わっている。2008年にシーズン1(3回完結)がスタートしてシーズン4までの合計12本が配信されているそうだ。
流石にシェークスピア俳優として名声の高いケネス・ブレナーがプロデューサーもやっているって事はBBCでも絶大の信頼を寄せている証拠じゃなかろうか?確かに目が離せない程の出来栄えで本格ミステリードラマに仕上がっている。
真犯人像が最後まで判らないってのはこの種、ミステリーものの常だが先人アガサ・クリスティが描くところのミステリーとはちょいと違う設定だ。無論、イギリスとは違ってスウェーデンの作家なのでスタイルは違うのは当たり前の話だが、、。
でも殺人事件が起きてから刑事さん達が出動して聞き込みから尋問、容疑者の特定、更に尋問、質問、質問、、って手法はそのままだが最後はあっと驚く真犯人が登場して来る。なので普通はゲスト出演者が犯人ってケース(日本じゃほぼそれ)が多いがこの”刑事ヴァランダー”では犯人役は殆どエキストラでも良かったかも知れない。
主演のクルト・ヴァランダー(離婚劇進行中でどちらかに新しく恋人が出来たら離婚する事になっている)、それと娘のリンダにアルツハイマー進行中の父親が家族、部下の一人にトム・ヒデルソンが配役されていてクルトを助ける刑事として奮闘している。取り合えずシーズン2の2話まで進んだがこれは先が楽しみだ。各一時間半の配信で殆ど劇場映画と変わらない長さだが事件は一話毎に完結するのでああ、止まれない止められないって事にはならない。
このケネス・ブレナー劇中でもよれよれの中年刑事と評され尋問に向かう先でも”刑事さんってもっと若くて元気いっぱいバリバリなんじゃない?”とか言われているがブレナーもこの作品の頃には還暦を迎えるちょっと手前だった。
近年は”名探偵ポワロ”にすっかり染まってしまい劇場版、”オリエント急行”や”ナイル河”で活躍しているがボクにはこの”ヴァランダー”の方が似合っている気がするしこのシリーズは掘り出し物だったぞ。