”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”クーリエ:最高機密の運び屋” (20年)

主題はスパイ、時代は60年代、背景は英米ソの冷戦時代、そして事実に基づくお話と来たら先日の大谷クンみたいな4ヒット連発で見ない訳には行かない。主役はベネディクト・カンパーパッチで彼がイギリス情報部MI6にリクルートされる全くの素人ビジネスマンに扮している。

 

 

終盤メインになる史実はキューバにミサイルを配備するべく戦略を練っているソ連側とアメリカ側はケネディ大統領がそれを阻止すべく大統領演説をテレビ中継し米ソの衝突危機を回避する箇所でそれに至るまでの双方のスパイ活動が物語の大筋だ。

同じような背景でスピルバーグ監督が撮った”ブリッジ・オブ・スパイ”はアメリカのU偵察機をメインに双方のスパイ交換で終わるお話だったが此方は最後にグレヴィル・ウィン(B・カンパーパッチ)は2年の長きに幽閉されていたのが解放されるがロシア側の当事者は処刑されてしまうと言う物語だった。ウィキには、、;

 1960年おグレヴィル・ウィンはMI6の依頼で情報の運び屋としての役割を引き受けることになった。ウィンはセールスマンとして頻繫に東欧を訪れており、MI6は彼ならば怪しまれることなく任務を遂行することができると考えたのである。それから2年間、ウィンは家族の反対に直面しつつも、ソ連側の内通者(オレグ・ペンコフスキー)からの情報を運搬し続けた。ウィンが命がけでもたらした情報はキューバ危機を「危機」のまま終わらせることに寄与した。本作はそんなウィンの運び屋としての活動を描き出していく。

と書かれているがカンパーパッチの苦悩や愛国心に目覚める箇所は素晴らしい、やはり演技力ってのはこんな風に発揮されるもんだと再認識させられた。半面、緊迫感に欠ける箇所も多くロシア内でオレグが密告者ではないか、、と内定される場面やKGBの暗躍する箇所が手薄になってしまった。

ストーリー的には知られている逸話だし目新しい展開にはなり様がないのだがもう少しCIAとKGBの対立が緊迫感を持って描かれていたら繰り返し見ていたかも知れないぞ。それと主役以外の配役陣に魅力が乏しくて折角の4ヒット題材なのに上手く生かされていなかった、、これは大谷クンが幾ら毎試合大活躍してもチームは試合に勝てないってのに似ているような気がする。ともあれ大好きな題材でそれなりの映画でした。