”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”パリの調香師 しあわせの香りを探して” (19年)

原題は”Les Parfums"と言うだけなんだが邦題はもっと内容を表現するタイトルに、、でも”調香師”ってのには面食らった。一般的には”調教師”とかなら知っているが香りを判定する人達を”調香師”と呼ぶのは知らなかったよ。現実には目を使って色の判定をする専門家もいるし音響や音に関しては映画制作でも重要な任務を担っているのだが、。

 

この映画、原題を読んだだけだったらそのままスルーしていたかも知れないが親切な邦題はその内容まで教えてくれる。”しあわせ探し”ってのは常用句だが今回は”香り”だったのでこりゃパリが舞台で香水製作の内幕じゃなかろうかと録画して置いた。

 

主演の伝説的調香師、アンヌにエマニュエル・ドウヴォス、そして冴えないおっさんのギョーム役にグレゴリー・モンテルで舞台はパリだ。ギョームは離婚調停中でリムジンの運転手、10歳になる娘と過ごせる時間が欲しくて狭い1DKのアパートからもっと広いアパートへ越したいと奮闘している。

 

 

 

そんな彼に雇い主のアルセーヌがもっと稼ぎが見込める専任運転手として調香師のアンヌを紹介して来る。しかしそのアンヌってのは天才的な調香師ではあるのだが実に我がままで運転手のギョームへ色々と運転以外の指図をして来る。こんな横柄な人とは上手く行かないと思ったギョームだが次回も彼女から指名が入り又もや長距離の出張へお供する事になる。

 

そんな出だしだがどうもアンヌは大きな仕事を抱えている割には順調に仕事が進んでいない、それには秘密があって自身は嗅覚の衰えを感じているのだ。そんな彼女と何とか娘と住みたいと願う、しがない運転手がどう繋がって行くのか、、。

 

この二人の映画で特に大きな山もなく谷も無く映画は淡々と進んで行くのだが、、実にハートウォーミングでチャーミングな映画に仕上がっていた。エンディングの背景はとある威厳がありそうな建物へ洋々と入って行く二人、、カメラがバンして玄関口に書かれた看板には”Dior"の表示があった、。

 

どうやらフランスで公開された時にはその週のナンバーワンの収益を記録したらしい、コレはオレにも頷ける。見終わってホッコリする作品、これに尽きるな、、。アンヌを演じたエマニュエルさん、フランスじゃ引っ張りだこの女優さんらしく芸歴を見たら多くのTVを中心とした作品に出演している。角度によってはちょっと前のジャンヌ・モローの雰囲気で如何にもパリジャンって印象だった。