”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”勝利への脱出” (81年)

これまで”栄光への脱出”、”大脱走”や”ロンゲスト・ヤード”みたいな脱出ものや刑務所内で実施されるスポ根試合など色々あるがこの映画は刑務所に居る連合軍捕虜がドイツ軍とサッカー対戦で決着を着けると言うものでそれに更に脱走がメインテーマだ。

時代背景は第二次世界大戦中で実際にあった試合が1942年、ウクライナで行われた国際試合が元ネタらしい。どうも1962年にも同じようなサッカー試合が元になった映画も制作されているようだがこの映画にはサッカーファンなら見逃せないブラジルのペレやイングランドボビー・ムーアスコットランドのジョン・ウォークなどホンモノの有名選手がそのまま出演している。

 

 

主演はシルベスター・スタローンマイケル・ケイン、それにドイツ軍将校役にマックス・ヴォン・シドーが配役されていて監督はジョン・ヒューストン、見応えあるスポーツ&大脱走映画に仕上がっている。

映画の舞台は1943年のゲンズドルフ捕虜収容所で多くの捕虜が収容所生活をしている。比較的緩やかな捕虜生活のなかで暇を持て余した連合軍のサッカー好きがドイツ軍の将校から国際試合を持ち掛けられパリ市内で行われるその試合の最中、地下の複雑に入り組んだ下水道を使って選手たちを逃げさせようと言う計画だ。

試合に先立ってアメリカ人のハッチ(S・スタローン)は単独で脱走しパリの支援者、レジスタンスの元へ逃げるのだが其処で計画の全容を教えられその計画案を刑務所へ持ち帰る為に再度捕まって元の刑務所へ送り返される。

その計画はチームの監督でもあるジョン(M・ケイン)に伝えられいよいよ試合の当日、パリの1938年ワールドカップ大会が実際に開催されたコロンブと言う市内の球戯場へ行く訳だがパリ市民が5万人も押し寄せ大盛況のなかキックオフになる。

そんな映画の展開でハーフタイムには選手一同が地下にあるトンネルを伝って大脱走になる予定だったんだが、、其処には捕虜として捉われている事よりサッカー選手として何とかこの試合に勝ちたいと言う選手としての目覚めが生じて来てしまうのである。

終盤の30分はペレが実際に試合の進み具合を監修しゴール場面もデザインしたらしくあの手この手と反則っぽい攻撃を仕掛けて来るドイツ軍にもめげず神様らしい足芸を披露してくれる。

同時にゴールキーパーとして試合にも出ているハッチが最後の最後にペナルティゴールを阻止するなどサッカー試合としての見どころも満載だった。そして選手たちは結局、ハーフタイムで逃げられた地下道への脱出口には向かわず試合で決着を着けそして其処には思わぬ”勝利への脱出”が待っていたのであります。

バート・レイノルズが人気絶頂の頃に主演した”ロンゲスト・ヤード”はアメフトの試合で刑務所の看守VS囚人って図式だった。まああっちは終盤、脱出するって訳じゃないのだがやはりプロ選手としての習性に目覚めてしまい古参の囚人に禁固刑になる価値があるか?と問いバート・レイノルズがその囚人に頷かれ意を決した場面が蘇って来た。