”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”永遠の0” by百田尚樹

イメージ 1三晩で読み終わった”永遠の0”、、最初は永遠に終わらないかと思ったが一旦進みだすと割と早かった。気が付いたら徹夜してた、、とまでは行かなかったのだがこれで益々映画が楽しみだ。日本ではまだ劇場公開中なのでそれが終わって暫くして、多分、、、春先にならないと無理だろう。
 
以前”ステキな金縛り”は待つこと3ヶ月、やっとDVDを入手した時はもうどんな内容かすっかり忘れていた。このようにタイミングを逸すると折角の映画も色が褪せちまう。今回はそんな事にならないようにしたいものだが、、海外だと相手任せなのでこんな時は辛いな。
 
考えてみればこの本にも書かれている日本軍が誇った最強の戦艦”大和”が沈んだのが昭和20年なのでおっさんが生まれるちょっと前という事になる。
 
この大戦について一番身近だった出来事は小学校4年から担任になった先生が復員兵だったという事くらいで当時は良く往復ビンタ、、を貰っていたヤツがいた。今じゃそんなピンタはあり得ないだろう。
 
大学生の佐伯健太郎と、出版社に勤める姉の慶子は、亡くなった祖母・松乃の四十九日から暫くした頃、祖父・賢一郎から彼が自分たちの実の祖父ではないことを知らされる。第二次世界大戦後に松乃は二人の母・清子を連れて賢一郎と再婚しており、実の祖父である松乃の最初の夫は、終戦間際に特攻で戦死した海軍航空兵だという。
 
それから6年後、司法浪人が長く続き人生の目標を見失っていた健太郎は、フリーライターとなった慶子から、新聞社で主宰される終戦60周年記念プロジェクトのアシスタントを頼まれる。プロジェクトを進める高山は、神風特攻隊のことをテロリストだと語るが、祖父の話もありその考えに釈然としない慶子は、このプロジェクトに際して特攻隊員だった実の祖父について調べようと決めた。姉弟はわずかな情報を元にその足取りを追い始める。
 
厚生労働省や方々の戦友会に連絡を取ったところ、祖父の名が宮部久蔵であり、関係者9人が存命であることが知れた。その内の一人、戦闘機搭乗員としてラバウル航空隊で一緒だったという男を訪ねるが、元海軍少尉の男は久蔵について「海軍航空隊一の臆病者」「何よりも命を惜しむ男だった」と姉弟に蔑みの言葉をぶつけた。健太郎は元戦友から聞く祖父の話に困惑し、次第に調査を続ける気を無くしていたが、母から健太郎と同じ26歳で亡くなった父・久蔵がどんな青年だったのか知りたいと改めて頼まれ、更に手がかりとなる海軍従軍者たちを訪ね歩く。だが、生前の久蔵を知る者たちの語ることはそれぞれに全く違っており、調べるほどにその人物像は謎に包まれていた。戸惑いつつも二人は、国のために命を捧げるのが当然だったと言われる戦時下の日本と、そこに生きた人々の真実を知っていく。凄腕の零戦乗りで、卑怯者と誹られても「娘に会うまでは死なない」と松乃との約束を守り続けていた久蔵は、どのような生涯をおくり特攻を選んだのか。終戦から60年を経て、各々の壮絶な生き方と封じられていた事実を明らかにする。 by Wikipedia
 
 
それにしても当時の帝国日本軍の理不尽さ、百田さんがここで描かれているように学業の成績だけで士官候補、上官さらには司令官へと軍部の首脳へ引き上げられていく、、彼らには末端の戦場で戦う兵士の気持ちなど一切理解してないし理解するつもりもなかったのではないだろうか??第一アメリカなど連合軍を相手に真珠湾攻撃を足掛かりに勝てるとでも??あの広大で肥沃な国土へ一度でも足を踏み入れた事があったのだろうか??西から東まで飛行機で飛んでも4時間、3時間の時差があり人口だって当時でさえ日本の三倍、無謀な事に東南アジアから更に南東の島々を攻め落とししかも先の戦艦大和のように戦艦を主体にした陣容。肝心なところでは腰が引けてしまいロクなダメージも与えられず、、しかも情報戦に関してはまったくもってお粗末としか言いようがない大低落。読んでいて事実であればあるほどもう情けない、、の一言。
 
こんな一部の軍部幹部諸氏に翻弄されお国の為にと言う一言で大切な命を投げ出した兵士たち、それに一般市民を巻き込んでの壮絶な戦い、最後には広島、長崎へ、、小説でありながらすべてが事実に沿った内容なのであたかもドキュメンタリー小説を読んでいる錯覚に捕らわれてしまった。こんな事は二度とあってはならない。