”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

人には教えたくない秀作

そりゃ評論家諸氏から一般の映画ファンまで”これは名作だっ、”と声を揃えるお決まりのクラシック映画は数多く存在する。通常80%以上からの映画ファンから”☆☆☆☆”を授かるのはかなり難しいと思うがアメリカのインターネット・データベースから検証すると65%くらいが分岐点でそれ以上なら”☆☆☆+”それ以下だと精々”☆☆☆-”程度ではないだろうか?

まあそれ以下でも”これはオレが好きな映画さっ”と開き直る思い入れいっぱいの映画だってあるしそんなランキング票は単なる指標に過ぎない。特にオスカーで作品賞まで受賞しているような”秀作”とて半世紀以上に渡って映画を見続けているこのジイさんには全く共鳴出来ない作品だって山とあるんだから10人集まりゃ10の意見があってもおかしくはあるまい、、。

そんな映画、現実には世の中の評価はかなり高く自分でもDVDを買い求めた程にお気に入りの一本がこれ、、;

07年にアメリカでは限定公開されサンダンス映画祭にも出品されたのだが何故か日本ではDVD化もされず無論劇場公開もテレビ公開もされていないのだ、、。その秀作のタイトルは”Taking Chance"と言う。そのままの意味で”チャンスを得る、、”だなんて言っていると大間違いなのだが”Chance"と言うのは中東の戦場で戦死したランス・チャンス、、名前である。その彼の柩を祖国アメリカへそして両親の手元へ届ける為に志願するのが彼の実績、功績ましてや個人的な事なども一切知らないマイケル・ストロブル(ケヴィン・ベーコン)である。

確か準邦題としては”戦場のおくりびと”とか一時言われていたような気もするがこれは実に素晴らしい映像の連続で気がつくと自然に涙が溢れているような、そんな映画である。この映画以降、彼の事をベーコン・エッグだなどとは一切呼んでない。

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一人の兵士が戦死しこれだけ多くの人に看取られて故郷へ帰る、、その行程を辿るロードムービーと言ってしまえばその通りなんだがこの映画でのケヴィン・ベーコンの軍服姿、これがまた実に素晴らしいのだ。それと各空港職員の手厚いもてなし、機長から機内でサービスするアテンダントまで更には故郷でチャンスを迎える昔の仲間たち、全てが整然として儀式ばったところはない、でもその無言の帰還に自然と泣かされる。そんな映画である。ありゃ、、これじゃ”人には教えたくない”じゃなくて皆さんにご披露しているようだなぁ~、、ああ、でも日本では見れないのです。

アマゾンさんで字幕のない原語版をお買い求め頂くかワタシに声を掛けて頂ければなんとかなるかも知れません。しかし日本の配給元、イヤ、映画関係者、ナンでこんな秀作を公開しないんだぁ~、それが残念でならない、。