”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”二十日鼠と人間”(92年)

この映画は以前ブロ友のジーナさんが記事に書かれていたのを覚えていた。でも昨晩映画を見るまでは原題が判らずナンだヘンテコなタイトルだなぁ~、、こりゃひょっとして邦画かな?、、っとその中身も確認出来なかった、。

そしたら何故か出だしの2分がトンでいてタイトル場面が収録されていない、、するといきなり画面を赤いドレスの女性が走って来る、。それだけじゃ未だ判らないよな、、でもどうやらアメリカの農場の雰囲気なのでこりゃ洋画だな、と一安心。

画面が一転して今度は若い男が二人前後になり逃げて来る、何から逃げているのかは不明、それに囚人服じゃないので脱走犯でもなさそうだ。一人は若いがこりゃゲイリー・シニーズかな、そしてもう一人のデカくてハゲは、、、う~ん、これはマルコビッチじゃないかと思い当たった。そしてやっと川縁に隠れて追手から逃げ、列車に乗り込み二人の会話が、、其処まで見てやっと思い当たった映画の原題、そうだこりゃかのジョン・スタインベックさまの”Of Mice and Men”、、”二十日鼠と人間”だぁ~、、と判ったのです。

30年代のアメリカ南部、自身が経験した事を書きあげた秀作で彼の代表作、”怒りの葡萄”はこの二年後の39年に、そして”エデンの東”は52年に書かれている。

そうなるともう結末は判っているし映画の出来をゆっくり楽しもう、。

実は30年にも映画化されていてバージェス・メレディス(映画”ロッキー”シリーズの老いたボクシング・トレーナー)が若きジョージを演じていた、ストーリーは今回も変わらないので最初の映画化では、、;

1930年代、大恐慌時代のカリフォルニア州。いつか自分たちの農場を持つという夢をもつ季節労働者、ジョージ(バージェス・メレディス)とレニー(ロン・チェイニー・ジュニア)は、いつも行動を共にしている。知的で頭の回転が早いジョージは、何かと問題を起こす大男で障害のあるレニーをかばい、数々の農場を渡り歩く。

そんな2人がたどり着いた新たな働き口の農場で出会った老人の申し出で、ジョージとレニーの夢が現実味を増す。しかし夢の実現を前に、2人に立ちはだかった思いがけない大事件とは…。byウィキ

そんな当時のアメリカを知る訳はないのだが差別あり迫害ありで住み込みで働いても給料が僅か50ドルって時代、恐らく休みもろくになく精々食事が賄いで提供されるだけの劣悪な環境だったんだろう。

農場の雑魚寝同様の環境でもレニーに寄り添い必死でもっと夢のある生活を求めるジョージ、それに答えようと懸命なレニーなんだがどうしても上手く自己主張が出来ずしまいには相手にバカにされてしまう。この辺りの演出は実に素晴らしい、(まあこの辺りは原作の良さなんだが、)各自自分の欲望、些細な夢があってもそれが僅かな事から綻びてしまう。そんなやるせない状況をゲイリー・シニーズ監督が巧みに映像化して見せてくれる。こんな想定は過去にも同じように二人組が旅する”レインマン”にもあったかな?

 

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