”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ジョーカー”(19年)

いやはや凄まじい映画だった、、我ら還暦世代が慣れ親しんだフランク・シナトラの歌声をバックにDCコミックス最悪の悪人が跳ねて踊って相手を殺しまくる、、。バットマンに出て来る”脇役”、悪党を此処まで実写版としてスクリーンに再現出来た事は”ダークナイト”シリーズ同様に制作元の腕の見せ所だったんではなかろうか?

それにウェイン一家の顛末もちゃんと”ダークナイト”に繋がっているしこれはもうスピンオフとか言う話じゃなくて立派にアーサー・フレックは主役の座を射止めている。何と言っても狂気迫るホアキン・フェニックスは映画賞を総なめする事は間違いない。

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↑ こっちはヒース・レジャーのジョーカー


ダークナイト”でジョーカーを演じたヒース・レジャーと比べたかったのだが出番が全然違った、、やはりあっちは助演男優賞でこっちは主演男優賞とその差は歴然としていた。メイクに関してはあっちの方が不気味だったが瞬時に気が変わる狂気振りは圧倒的にこっちじゃないだろうか?プロデューサーは先ず間違いなく”ジョーカー2”となる続編を企画しているんだろう、、さてそれにホアキン・フェニックスが出るかどうかは判らないが、、。

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↑ ホアキン・フェニックスのジョーカー


企画立案の段階ではマーティン・スコセッシ監督やレオナルド・デカプリオが噂されていたようだがトッド・フィリップス監督がホアキンを推したらしい、。彼の悪役ぶりは”グラディエーター”でも実証済みだし”ウォーク・ザ・ライン”でジョニー・キャッシュを演じたように彼の素質は立派に歌手としても通用する程のミュージシャンだ。

まあしかし個人の好みから行くと、、映画の出来は別として、”ダークナイト”の作風、クリストファー・ノーラン監督版は90%理解出来るしワタシのストライクゾーンにかなり重なる。此方は内角低めのスライダーが微妙に変化して僅かにワンバウンドした感じで途中イルージョンなのか妄想なのか、、不鮮明なシーンが多々あった。

それにこのジョーカーはほぼ100%全シーンで喫煙している、、時代設定は60~70年代を想定しているんだろうがコイツには閉口した。何となく煙草の煙と臭いが画面から漂って来るようで、、それらは若い柔軟な頭脳じゃないと理解出来ないしもうジジイの頭じゃ付いて行けないと勝手に諦めている。

劇中、ロバート・デニーロが演じる深夜のテレビ番組”マレー・フランクリン・ショー”の司会者役、アレは舞台設定からゲスト紹介の場面までそっくりそのまま往年の人気番組”エド・サリバン・ショー”を転嫁したものだ。シナトラの歌声と共にそんな設定に目が向いてしまった、やっぱりジジイだ。