厳密にはこれでも背景は西部劇なんだが、、現代のアメリカ西部に舞台、例えばラスベガスに置き換えてもちっとも違和感はないだろう。実に痛快でこれがまさに究極の映画と言っても良いのではないか?
原題は”A Big Hand for The Little Lady”、で主演はヘンリー・フォンダ、そしてジョアン・ウッドワード(58年から半世紀をポール・ニューマンを唯一の夫として彼が亡くなるまで添い遂げた)が魅力的で美しいヒロインを演じている。
テキサスのサン・アントニオへ通じる田舎町では毎年恒例のポーカー大会が開かれる。出席するのは土地の地主やら弁護士などの裕福な連中でその5人が全財産を賭けた真剣勝負を開いている。今年も娘の結婚式を顧みずに駆けつけたヘンリー(ジェイソン・ロバーズ)、法廷での弁護を放り出して来たオットー(ケヴィン・マッカーシー)等の面子が揃った。ゲームが佳境を迎える頃、その町に馬車で通り掛かりのメレディス(H・フォンダ)、メリー(J・ウッドワード)と子供連れの三人家族が一夜の宿を求めてやって来る。
どうやらこのメレディスは博打狂いらしい、、酒場の奥でこのゲームが開催されている事を知ると奥さんの制止をモノともせず無理やり仲間に入り勝負はどんどん進んで行く、。気が付くと有り金全部をテーブルに掛け金として献上していて持っていた金時計や馬車、馬までも換金しようとしている、、。
っとまあこんな映画なんだがこれからが勝負、そう映画の方もそこからが勝負になる。兎に角、脚本が素晴らしいのだ、撮影やセットに関しては大した動きがある訳じゃないし彼ら五人とその勝負を見守る観客達のやり取りが際立って面白い。
確かにコメディタッチではあるが場面場面で笑わせる設定ではなくああ言えばこう答える、そんな打てば響くような会話がポンポンと進むそれが実に歯切れ良くこんな映画は字幕を待たずにリアルに反応出来ないとその良さが半減してしまう。こんな映画を見た時だったか、遠いガキの頃に英語を学ぼうと決心させた記憶が蘇って来る。