”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”バルジ大作戦” (66年)

シネラマ社が膨大な制作費を投入した戦争映画、背景は実際にあった1944年12月のライン河を巡る戦車同士の攻防を描いたオールスターキャスト版だ。原題は”Battle of the Bulge”と言うのだがこの短いフレーズが日常会話に頻繁に登場して来る。オーストラリア時代に良く耳にしたものでさてアメリカではそんな言い方をするかどうかは不明だが、。

 

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そもそもその”Bulge”と言うのは地名でもなくドイツ軍の攻撃体系を指す言葉らしいのだが戦中の攻撃がかなり大掛かりだった事から”どデカい”の代名詞になっている。ある時24号に住んでいたオージーのデカいおばちゃんが文字通りダイエットに挑戦中でワタシを見るなり、”ホラ、あんた、私は今Battle of Bulgeをやってんのよ”っと来た。瞬間、なんじゃいこのおばちゃん映画が好きなんだ、、と思ったがどうもそうじゃなくて”ダイエットに悪戦苦闘している”って意味だと気が付いた。同じように”As big as Ben-Hur”って表現するのでこれは同意語だな?っとその時悟ったのです、。

まあ映画のタイトルを日常会話に使うってのは面白いな、、とは思ったが若い人にはチンプンカンプンじゃないのか?っと言うか24号のおばちゃん、オレに言ったと言う事は俺なら理解出来ると踏んだんだろうか??

いかんいかん話が逸れた、、映画の主役は殆どロバート・ショウで63年に007の”ロシアより愛をこめて”で強烈な殺し屋を演じ一気にスターダムへ、、その彼がドイツ軍の伝説の将校、ヘスラー大佐を演じた。連合軍はヘンリー・フォンダを始め、ロバート・ライアン、チャールス・ブロンソンテリー・サバラスと戦争映画の常連さん、そして監督はケン・アナキンとこれまた戦争映画職人だった。

確かにどデカい制作費を掛けただけあって戦車同士の戦いは迫力満点、恐らくシネラマ社が誇示したかったんだろうが軍用列車が山中を激走するシーンは見ている観客の身体が揺れてしまう程のシーンだった、、(”西部開拓史”にもそっくりなシーンがある)でも映画の主題とは余り関係ない場面だったんだが、、。やっぱりこんな映画は映画館のどデカい画面で楽しまないと評価は上がらない。2時間40分を超える長丁場だったが日本軍は出て来ないので安心して鑑賞出来た。