”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

ベリーナイスな邦題ランキング

今や”ふんけいの友”と断言しても良いfpdさん(彼方は迷惑か?)とはその昔、Yahooのブログ時代に初めて出会った。当時、近年は余りにもいい加減で”映画の中身さえ確認せずに付けた邦題じゃないかぁ~”、とか”長い原題をそのままカタカナに置き換えて誤魔化す”などもっての外だとブログにその忸怩たる思いをぶつけていた。そんな事で積もるうっ憤を晴らしている頃、ある日pdfのお友達みたいなfpdさんと言うブログの先輩から”そうだそうだ”と賛同するコメントを頂いた、。それがきっかけで今じゃ家内以上にやり取りが頻繁になっている、。

 

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うん、さてナニを書こうとしたんだか、?そうだ此処まではエピローグでその邦題についてもう一度吠えてみたい。でも同じ基準じゃツマンネーのでチョイと方向転換して今回は、、;

① 原題をそのまま翻訳したもの(例えば”風と共に去りぬ”-Gone With The Windとか”地上より永遠に”-From Here To Eternity等々)

② 原題をそのままカタカナ化した邦題(”リバーランズ・スルー・イット”等の思考力ゼロで付けられた情けないケース)

この①②を除く条件を基にヒドイ邦題を取り上げるんじゃなくて”素晴らしい機転で付けられた印象深い邦題”って事に限定してみた、。

じゃあ手始めに、、最近見た映画から;

 

”翼よ!あれが巴里の灯だ” - 57年の映画だが原題は”Spirit of St. Louis”と言う。これは主人公チャールス・リンドバーグの愛機に付けられた名前だがそれを見事にこんな印象深い邦題に、、。

史上最大の作戦 - 原題は”The Longest Day”ノルマンディ上陸の背景を描いた戦争映画だが原作のタイトルは”一番長い日”、それを如何にも大作っぽく付けられた邦題は実に素晴らしい。

 ゼロ・グラビティー” - 原題はそのままGravity”なんだがそれに”ゼロ”を付けた。これは実に単純且つ簡単な事なんだが”重力”に”ゼロ”を付ける事でより真実味が増した。恐らく原題を超えているんじゃなかろうか?

 

”オールド・ルーキー” - これも同じ様な発想基準だが原題は”The Rookie”、まさに”新人選手”なんだがそれに”オールド”が付く事でロートル選手がルーキーとして再出発するプロ野球根性ものだ。これも恐らく原題を超えているしこの発想には本国でも炉立派に認識したんじゃなかろうか?

”昼下がりの情事” - ”Love In The Afternoon”、単に”愛する午後”って事だがそれより主演のオードリー・ヘップバーンの清純な姿に”情事”は似合わないだろう、、と公開当初は配給元で賛否両論あったらしい。確かにゲイリー・クーパーとはプラトニックな関係で最後まで”三塁も踏めてない”とフラナガン氏が劇中認めている。

 ”慕情” - ”Love Is A Many-Splendored Thing”と原題は歌詞そのままだ。こりゃ”愛とはかくも素晴らしきもの”じゃ誰も映画館には来ないだろう、、実に感性のある妙邦題として後世に語り継がれている。

 

哀愁” - これも恐らく歴代の邦題としてはトップランキング入りは間違いない。原題は何と”Waterloo Bridge”だ、、日本なら差し詰め数寄屋橋だがヴィヴィアン・リーロバート・テイラーの存在はこれ一本で悲劇の主役として世界中で認められた。

”終着駅” - これはチョイと微妙だがやはりランキング入りは間違いない。原題が”Terminal Station”なのでこれを”終着駅”と見るか単に通過点にある”ターミナル”なのか??

 華麗なる賭け” - これは公開当時に流行っていた”華麗”をくっ付けただけだが原題が”The Thomas Crown Affair”だった事を思うとこの邦題はクリーンヒットだよ。でも余談があって後年99年にリメイクされた時の邦題は、”トーマス・クラウン・アフェアー”だったのだ、、バッカじゃなかろうか?

 

”人生の特等席” - これも公開当時何故か”人生”の、、とか”指定席”とかの単語が重宝がられていたが原題が”Trouble With The Curb"だ。実はこの原題には隠された意図がある。それは主人公クリント・イーストウッド扮するキャラクターはプロ野球球団のスカウトだが応用が利かずまっすぐな性格で回りが見えないのだ、、そして終盤思いがけない選手を発掘するがメインに球団が契約を狙っている有望選手は彼の投げる変化球が全く打てないのだ。即ち、双方に係ったカーブが苦手、、と言う意味なので”特等席”とは大分かけ離れているんだな。

栄光への脱出 - ポール・ニューマンエヴァ・マリーセイント主演の映画、原題は”Exodus”で旧約聖書、エジプトに出て来る”脱出”を指す言葉だがそれを栄光に仕立てた妙題だ。英語をそのままに”大脱出”じゃ鑑賞意欲はイマイチだが栄光へ向かうなら見たくなるぜ。後年これをカタカナで表記してそのまま”エクソダス”と言うのがあった。副題に”神と王”と付けたが”えっ、くそダスか?”みたいで鑑賞意欲は一気に失せた。

 太陽がいっぱい - これは特例かな?フランス語の原題は”Plein Soleil”で”太陽が照りつける”なんだがオリジナルのパトリシア・ハイスミスの原題は”The Telented Mr. Ripley”(才人リプリー氏)、そんな原作から英語ーフランス語ーを経由して”太陽がいっぱい”、になっている。これも実に見事に映画を表現した名邦題じゃなかろうか。

 

”予期せぬ出来事” - こっちも実に見事な邦題だ、、原題は”V.I.P.S”、今じゃ誰でも知るベリー・インポータント・パーソンズの略だが当時は主演のエリザベス・テイラーリチャード・バートンの実生活をそのまま反映しているようで原題、邦題ともタイムリーなものだった、。

”夜霧のしのび逢い” - この邦題は石原裕次郎にあらず実はギリシャ映画だ。英語の原題は”The Red Lanterns”と言うのだが公開時にクロード・チアリの曲がタイトルテーマとして採用されその曲名からこんな邦題に、、余り見かけるケースではないのだがこの邦題は日本人には馴染みやすいかな?

”情婦” - これはもう為五郎だってのけ反る程に素晴らしい邦題だ。無論、映画も素晴らしいのだが、、その原題は”Witness For The Procecution”即ち”検察側の証人”って事になるのだがそれが”情婦”とは??別に名もない情婦が出て来る訳じゃないし一見映画の展開とは関係ないような邦題に思えるのだ。それが見終わってなる程そう言う事かぁ~、、っと土俵際でうっちゃりを食らった気分になる。

 

まだまだこんな名邦題は沢山あるのだがちょっと腹が減った、、気が向いたら続編をやります。では又、次回お会いしましょう、さいなら、さいなら、さいなら、、。