”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”恋人よ帰れ!わが胸へ”(66年)

何とも素晴らしい邦題じゃなかろうか、、それが何と原題は ”The Fortune Cookie"(中華料理屋で食後にサービスされるおみくじ)と言って今はもうないかも知れないが食後に出されるクッキーに格言みたいな運勢が忍ばせてある。

主演はジャック・レモンウォルター・マッソーで不仲になった元妻が自分の元に帰ってきてくれる事を祈る心情が原題だ。この二人はこの初共演で大好評を受けその後、数々のコメディーで共演を果たしている。

監督はビリー・ワイルダーで”お熱いのがお好き”(59年)、”アパートの鍵貸します”(60年)、”あなただけ今晩は”(63年)に続くジャック・レモンを主演に迎えた大爆笑ロマンチックコメディーである。

 

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The Fortune Cookie

以下はウィキにチョイと肉付けをし余計な箇所は削ったものです。

TVカメラマンのハリー(J・レモン)はアメフトの試合を生中継中、突進してくる黒人のスター選手ブーン・ブーン・ジャクソン(ロン・リッチ)をよけ切れず、病院送りになる。

幸い怪我は大したことが無かったが、義兄でアコギな弁護士のウィリー(W・マッソー)は巨額の賠償金を手に入れる訴訟を起こす計略を思いつく。ハリーが脊椎を傷め、体のあちらこちらが麻痺した事にするのだ。最初は渋っていたハリーだが、金が入れば彼を置き去りにして男と駆け落ちした元妻のサンディ(ジュディ・ウエスト)が帰ってくると言うウィリーの口車に乗せられ障害者をよそおう事にする。

口八丁手八丁のウィリーは次から次へと悪知恵を働かせ交渉を有利に進めていく。一方、怪我をさせてしまったと言う自責の念にかられたブーン・ブーンは足繁く見舞いに訪れ、車椅子に始まり数々の高価な品物をハリーにプレゼントする。時折、良心の呵責に耐えられなくなるハリーだがウィリーのほうが一枚上手で結局は言いくるめられてしまう。

お金に目のくらんだサンディはウィリーの予想通り戻ってくる事になり、家政婦がわりを買って出たブーン・ブーンを伴ってハリーはサンディと住んでいたアパートに帰る。しかしアパートの向かいには訴訟相手が雇った探偵のチェスター(クリフ・オズモンド)が部屋を借りハリーが尻尾を出すのを逃すまいと24時間体制で監視、盗聴している。

目ざといウィリーはすぐに気づいてハリーに隙を見せないように釘をさす。サンディが帰ってきた日、ブーン・ブーンはサンディが金目当てで、ハリーと夫婦生活をやり直すために戻ってきたわけでは無いと見抜く。それを察知したサンディはハリーにブーン・ブーンを追い出すように頼む。

 

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サンディとよりを戻せたのですっかり有頂天になったハリーは言われるままにする。ハリーはサンディとベッドインしたいのだが監視されているので車椅子に乗ったまま悶々とするしかない。傷心のブーン・ブーンは以前にも増して酒量が増え、自ら経営する酒場でチンピラ相手に暴力沙汰を起こしチームを去る事になる。ウィリーの計略は面白い様にはまり訴訟相手は敵わないと見て示談に持ち込んで来て多額の小切手を手にする。

勝負あったかに見えたが負けを認め盗聴器を取り外しに来たパーキーがブーン・ブーンの事を黒人差別意識丸出しで罵倒するのにハリーは激怒、ついに立ち上がってパーキーを殴り仮病の証拠を掴まれてしまう。ハリーは再び裏切ったサンディの尻を蹴とばし、ブーン・ブーンのいるスタジアムへと走る。今や去っていこうとするブーン・ブーンに殴ってくれと頼むハリー、、ブーン・ブーンはそんなハリーを許し二人は他に誰もいないスタジアムでフットボールを楽しむのだった。

とそんなお話なんだが悪知恵満載のウィリーVS善人ハリー、、それに輪をかけたように純で真面目なフットボール選手、彼らの絡みが実に面白い、。何度となく全てをぶちまけてブーン・ブーンを安心させてやりたい、でも元妻に未練タラタラ、これをきっかけに優秀な弁護士として大きく名声を博したい弁護士、監督のビリー・ワイルダーは単にどたばた喜劇に終始せず人間の暖かい心を実に巧く引き出している。