こちらは”お熱いのがお好き”、59年ビリー・ワイルダー監督のクラシック、”名作中”の名作だったがこの配役からマリリン・モンローを引いてナタリー・ウッドを足すと、、今度は”グレートレース”になる。これはブレーク・エドワード監督の”かなり秀作に近い”抱腹絶倒、悶絶爆笑映画だ。
エドワード監督はオードリーで”ティファニーで朝食を”(61年)撮ったばかりで、その直後にはピーター・セラーズ主演で”ピンクの豹”(63年)とコメディを撮っていた時期、すべてが上手くいっている時で同じキャスト、トニー・カーチスとジャック・レモンを得て奇想天外でスケールの大きな物語を撮ったのがこの”グレートレース”だった。
こちらの時代設定は1908年の頃、ニューヨークから西回りで花の都、パリを目指しての長距離大陸横断自動車レースである。
黒白がはっきりしててすべてに”Good"なヤツがグレート・レスリー(トニー・カーチス)、そして”Bad"なのがフェイト博士(ジャック・レモン)そして彼の仲間と言うか部下がマックス(ピーター・フォーク)、それに唯一女性記者として無理やり同行するのがマギー(ナタリー・ウッド)だ、、。
フェイト博士はマックスを使いあの手この手でレスリーをレースから脱落させようとするのだがナニをやっても自分たちへ跳ね返って来てしまう、、それにもめげずに魚雷、大砲、参加者の車を脱輪させたりするがレスリーはスタコラ先を行く、、、そして大西部の街の酒場での大騒ぎからヨーロッパに渡り、今度はフェイト博士とそっくりさんが登場する某国、皇太子まで出て来てのお家騒動、更にはパイ投げ大騒動、、とスラップスティックな展開が続く、もうストーリーは追わずともそのお笑いの要素だけを追うだけで充分だ。
何故か今週はFOXさん、ジャック・レモン特集なのか”ミスター・ロバーツ”や”酒とバラの日々”、それに”グレートレース”と連日の大盤振る舞いだ。ジャック・レモンはトニー・カーチスとこんな悶絶するお笑い映画を撮っているがシャーリー・マクレーンとはオスカーにノミネートされるような秀作を何本か共演している。それも”さあ笑え”と言う映画ではなく”アパートの鍵貸します”や”あなただけ今晩は”のようなホロリとさせるコメディである。
66年にやはりビリー・ワイルダー監督で撮った”恋人よ帰れ!わが胸に”で共演したウォルター・マッソーとは後年コンビを組んで”おかしな二人”(68年)シリーズでこれまた素晴らしいコメディを量産してくれた。
85年にはかのマルチェロ・マストロヤンニと共演した”マカロニ”と言う秀作もある。何れも笑いの影に人生とは何かと訴えて来るような人情ドラマでそんな郷愁が滲み出るような役柄をやると実に見事だ、、。この”グレートレース”に関してはそんな人生観は一切関係なくして笑い転げるに限る!!
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