”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ファイヤーフォックス”(82年)

原作はクレイグ・トーマスが書いた小説、”Firefox”だがそれにクリント・イーストウッドがプロデューサーとして名乗りをあげ監督も主演も自分でやってしまったと言う軍事機密をソ連から盗み出す冒険スリラー映画だ。

”レッドオクトーバーを追え!”はソ連が開発し竣工させた新型潜水艦を何とかアメリカへ引き取ろうとするが此方はもっと古い時代だが最新鋭の戦闘機を盗み出して来ようとする映画でその大役を任せられるパイロットにロシア語に堪能なガント(C・イーストウッド)が扮している。

その新鋭機ミグ31には勝手に考えて運航すると言う画期的なコンピューター頭脳が搭載されていてパイロットが考えるだけて対応すると言うアメリカの最新技術を持ってしても追いつけない軍事戦略の戦闘機だ。

 

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2020年に思い返せばもうとっくに実用化されているんだろうが40年も前の事となればそりゃアメリカは喉から手が出る程に欲しかったんだろう。現在の技術じゃステルス機能、レーダーに感知されずに飛べると言うのも当たり前になっているが、、。

ガントがロシアへ潜入する過程が変わっている、麻薬の売人に扮して行くのだがロシア国内では軍部主導で尾行を着ける。それを知っているロシア国内にいるシンパが本物の売人を殺害しガントが持って来た身分証明書をポケットに忍ばせる。これで彼らが尾行していたのは麻薬の売人で一件落着と思わせ今度はアメリカン旅行者に扮したガントが目的地を目指すと言う具合だ、。

なかなかスリリングな展開でKGBとシンパ(地下に潜入しているソ連改革団体)の協力を得て”ファイヤーフォックス”が収納されている軍の飛行場へ急ぐのだ、。

 

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まあ普通に行けばガントが無事コクピットに座り、派手に飛び立って”ハイおしまい”、、ってなるのだがこの映画はそうは行かなかった。航続距離が3000キロ程度とかでアメリカ軍基地までは飛んで行けない、それにどうやら空母に着陸って訳にも行かれずおまけに同時に生産していた二号機があったのだ、。

この一号機はソ連邦書記長殿の前を処女飛行する事になっていたものでヴォスコフ中佐の重要な役目だった。ガントが一号機に乗り込む際に殴り倒してロッカーに閉じ込めて置いた。このヴォスコフは以前、ガント指揮官に指導されていた中佐で急遽、その二号機を整備して一号機を打ち落とすと言う命令が下るのだ、。そして最後は北極圏内での子弟対決になって行く。

この空中戦や奇想天外な給油方法はちょっと思いつかないアイデアだ、。実際にそんな事が出来るものかは知る由もないが、、結局最後まで息もつかせず見せられた。40年も前に作られた映画でCG満載、かなり精巧なモデルになっているのでそれをもし今やったらもの凄い臨場感ある映像になっているんだろうな、、。

原作ではその後の”ファイヤーフォックス”を描いたフィンランドの湖に着陸した”ファイヤー・フォックス・ダウン”、それに主人公だったガントのその後が描かれた”ウィンター・フォーク”ともう一作で合計4冊で完結するのだが、、結局映画化されたのはコレだけだった、、これはちょっと残念かな??