”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”デジャヴ”(06年)

この映画、”Deja Vu"はもう日本語にもなっているが”既視感”と呼ばれる現象で突然目の前に広がる場面は以前にも遭遇した筈だと思い込む感覚である。まさに映画ではそこを突いて来る。

 

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デンゼル・ワシントン主演の犯罪捜査モノ、監督はトニー・スコットで公開時には見逃した。その後、10分程度見た事があるのだがどうもワタシのストライクゾーンから離れていて途中で止めた経緯がある。今回は自分の中のデジャブで再挑戦してみた。

背景はニューオリンズでテロ犯により大型フェリーが爆破され大勢の犠牲者が出てしまうところから始まる。ダグ(D・ワシントン)はこの手の映画では珍しく”ATF”(アルコール、タバコ、銃火器の訳)の捜査官だ(何故FBIとかCIAじゃなくてこのATFと呼ばれる連邦捜査官が爆破捜査の現場に派遣されて来たのかは不明)。

ダグは持ち前の優秀な現場捜査の経験から近くの鉄橋からフェリーを見下ろせる事に気付き早速フェリーが爆破された時間にその橋を通った歩行者や車両をしらみつぶしに調べて行く。犯人は恐らく橋の上からフェリーが岸壁を離れるところを確認したんじゃなかろうか?と言う見立てだ。同時に爆破で岸に流れ着いた一人の若い女性の死体を詳しく調べるのだ、。

此処までは絶好調だぁ~、、かなり真剣な表情で調査に挑むダグは特にFBIとも協力せずにこの爆破はテロの結果だと見抜きフェリーに乗船していた軽トラックに爆薬が仕掛けられていたと突き止める。おお、こりゃオレは今まで秀作を見逃してんだろうか?

そしてふとソファで自身がデジャブに浸っていると思いがけない展開になって行く。どうやら政府では極秘に過去数日を遡って映像を検証出来る装置を開発していたのだ。早い話、これは過去を覗ける映像タイムマシーンじゃないか?其処からチョイと意外な方向へお話が進んで行く、そして捜査の大詰めはナンとダグ本人が危険を承知でこのタイムマシーンに乗り込んで爆破が起きた4日前の現場へ飛んで行くのだ、、それも水際で死体となっていたクレア(ポーラ・パットン)を救い、フェリーの爆破を阻止する為に、、。

前半はかなり綿密な捜査振りでこりゃ優秀な捜査官が頑張っているな、、と思いきや途中から荒唐無稽な展開に、それに本人が4日前に戻って行くのは良いのだがあちこち辻褄が合わな事態になってしまうのだ。一番不可解な演出は4日前に飛んで爆破を阻止したダグは沈んでいく小型トラックの運転席に、、水中で荷台にあった爆薬がドカンとなりご本人はそれっきり河の藻屑となってしまう。でも爆破当日には冒頭のシーンで颯爽と登場して来た場面に戻って水中から助け上げられたクレアを保護しに来る、。これがまさにデジャブーーって事だったのかと最後は拍子抜けしてしまった。