”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”4デイズ”(10年)

この軍事施設を舞台にした映画は原題を”Unthinkable”と言う、その昔、デビー・レイノルズ主演の映画に”Unsinkable Molly Brown”と言う映画があったが両方ともカタカナ化にすると”アンシンカブル”だ。しかし意味は”考えられない”のと”沈まない”って事なので流石にこの邦題はマズかろう、、っで結局、”4日間”に落ち着いたんじゃなかろうか?

まあそれはどうでも良いのだが主演はサミュエル・ジャクソンとキャリー=アン・モスでなかなかに緊迫感のある意表をつく爆弾テロ事件になっていた。

舞台はアメリカだがある日、政府のある部署にビデオが送られて来る。其処にはアメリカ国内3ヶ所の大都会に殺傷能力の大きい時限装置付きの爆弾を仕掛けたと言うテロ声明だ。この時点では声明文もなくかなり大きな爆薬、と言うだけで動機も要求もナニもない、。

CIA、FBI、軍部組織が連携して割とあっさりと犯人確保に至るのだが、、(この辺りの捜査振りがちょっと物足りない)、しかし容疑者が確保出来たのは良いのだがその元海兵隊員でモスラム教に改心したヤンガー(スティーブン・アーサー)は仕掛けた爆発物の所在を一切明かさないのだ。

最初はFBIのテロ対策部隊のリーダー、ブロディ捜査官(C・アン・モス)が担当して設置場所を白状させようとするが全く無駄骨、そんなでどんどん時間ばかりが経過して行く。そしてそこへ登場するのがCIAの尋問専門官である”H”(S・ジャクソン)とだけ呼ばれる男で上層部からは何としてでも白状させろと厳命されている。

そこでやっとこの邦題の意味が判る。爆破は5日後って事で残り4日間で爆弾の設置場所を白状させると言うお話だ。其処から一気に緊迫した展開に、FBIのブロディ、そして軍部上層部、そしてCIAから送られて来た”H”、が夫々に白状させようとする手段の違法性と残虐性について異議を唱える。

 

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時間が迫る中”H”は手段を択ばない、小指を切断したり爪を剥がしたり、水攻めなんてのはちょろいもんだとFBIのやり方を詰りそんな事じゃこのヤンガーを追い詰める事は出来ないとそりゃもう残虐非道な手段を取る、。それでも一切口を割らないヤンガーに逆に全員がどんどん追い詰められて行く、。

そして遂に悲劇が、、大爆発がショッピングセンター内で起き50名以上の犠牲者を出してしまう。これで疑心暗鬼で本当は爆発物はないんじゃないかと疑っていたFBIも本当に何処か知らない場所に爆弾が設置されていると確信を持つのだ。

”H”は遂にモスラム教徒のヤンガーの妻を確保しこの拷問室へ連れて来させる。彼の前に妻が連れて来られこれでいよいよ万事休す、ヤンガーも観念して遂に白状するか、と思いきやそうは行かなかった、。其処で今度は原題の”Unthinkable”って意味がようやく判って来るのでありました。

もう一捻りあって時間はどんどん経過、残された時間はあと一日だけとなって行く、。さてどうなる?最後にヤンガーは白状するのか?被害を阻止する事は出来るのか?ともう最後の最後まで息もつかせぬストーリーが続くのであります。

派手なアクションは一切無い、この拷問室での緊迫したやり取りとそれこそ拷問の方法が何種類もあって見ているほうが落ち着かない。そこまでやるか~、、となりひょっとしてこのヤンガーはマゾか?っとも思えるのだが、、これは異色のテロ捜査事件でした。最後まで見ている方が手足が痺れてしまったよ、見終わってヤケに疲れた。