”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”チャイナタウン”(74年)

これまでブログにこの映画の事は何度となく投稿しているが単独でこの秀作を取り上げたケースはないようだ。そこで今日の午後に再々観戦したばかりなのでもう一度メインストーリーとして投稿してみる。

主演はジャック・ニコルソンフェイ・ダナウェイ、74年に公開されたロマン・ポランスキー監督の限りなくハードボイルドなフィルムノワールだ。背景になっている1930年代、後半のロスアンジェルスでは私立探偵業は個人経営が多く、それも警察署あがりが一般的だった。それが主役のゲティス(J・ニコルソン)が開業している事務所は捜査員が二人と受付嬢が一人と総勢4人と羽振りが良さそうだ。

時代は砂漠化が進み水源の確保が一番の難題、周辺にはフルーツ系の農家が多く、水源の確保は死活問題だった。そんな背景で起きる事件である日、モーレイと名乗る夫人が現れゲティスに夫の素行調査を依頼する。浮気調査なのでそのご主人を終日尾行して相手と会っている現場を押さえようとする。

そのご主人、モーレイ氏は市の水道局の局長で市議会ではこれ以上ダムを建設するのは得策ではないと証言している。そんなモーレイ氏を追い回すのだが一向に”逢引き”とはならない、、一度だけ若い女性と会っている場面には遭遇するがどうやら毎日遅くまで水質検査とか水が放流される箇所を調査している様子だ。

 

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そんな調査をしている最中、調査をしていた水路でモーレイ氏の溺死体があがる。それと同時に探偵事務所へモーレイ夫人(F・ダナウェイ)と名乗る女性が現れるのだ。更には新聞にはモーレイ氏は自殺、それも浮気からの逃避だったと派手に書かれている。ゲティスは自分でも調べ切っていない事が書かれていてどうにも腑に落ちない。

 

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そんな展開でさてモーレイ氏は自殺、事故、それとも他殺??とゲティスにも判断が出来ないのだ。一番疑わしいのは本物のモーレイ夫人である事には違いない、そこで何度となく確かめようとするが疑念は増すばかり。しかも一度だけ遭遇したモーレイ氏が生前に会っていた女性の所在が一切不明になってしまう。

もうミステリー度は満開、それプラス、フェイ・ダナウェイの妖艶さが拍車をかける、、そんな時に今度はイブリン・モーレイ夫人から真相を見つけて欲しいと依頼を受けてしまいゲティスは今度は彼女の側に立ち、真相を探り始める。

半分を過ぎた頃にノア・クロス(ジョン・ヒューストン)の存在が大きくなる。イブリンの父親で大富豪、ロス近郊の農地を所有し市の役所にも顔が利く。その辺りから今度はコレは殺人だと断定したゲティスは真犯人探しに奔走する。

さて真相は如何に、一体誰が誰の為に殺人を犯したのか、それに最初モーレイ夫人と名乗って事務所へやって来た女性も殺されている事が判りゲティスは益々混迷の中、モーレイ夫人の為にも真実を追求して行くのだが果たしてその真実が悲劇を引き起こす危険も孕んでいて最後まで予測の出来ないミステリーとして目が離せない。

そして最後の10分、衝撃の結末へ向かってそれも検察官時代にゲティスが担当していた地域、チャイナタウンへ戻って行く、、やはり何回見てもこの映画の素晴らしさは失せない。