”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”街の灯”(31年)

BSNHKじゃこんな映画も放映してくれる、、こりゃもう油断も隙もあったもんじゃない、何せ前日は”南極物語”を放映していたと言うのに、。

この映画はサイレントと言っても言わずと知れたチャップリンの名作で原題はそのまま”City Lights”、当時40歳を過ぎたチャップリンが主演、脚本、監督、制作まで4役をこなしている。

サイレント映画とは言っても音楽、伴奏は入るのだがセリフだけはボードに書かれたものが提示されるだけでチャップリンの声は聞けない。ストーリーはごく単純なものだがセリフがなくてもあの仕草とプロット、それに編集力により最後は大の大人をも泣かせてしまう程に素晴らしい映画だ。

ウィキに書かれたファンがかなり詳しく書かれているのでそれを拝借すると、、;

 

主人公は今風ならプータロー、、ホームレスの男。その彼がある日、街角で盲目の花売り娘と出会い一目惚れしてしまう。彼女は落とした花を拾ってくれた男がタクシーで去っていったと勘違いし、その男が金持ちの紳士と思い込む。その夜、浮浪者の男は妻と別れ自殺しようとした富豪を助け、友達になる。しかしこの富豪は酔っぱらった時には浮浪者のことを思い出すが、素面の時は忘れてしまう。

浮浪者の男は花売りの娘から花を買って紳士を装っていた。いつの間にか娘にとって、男はただのお金持ちではなく、それ以上の人物となっていった。男は病気の彼女のために働き出し、彼女の家へ通い詰めできる限りの献身をするのだった。ある日、娘とその祖母が家賃を滞納し立ち退きを迫られていることを知った男は、娘を助けるためにお金を工面しようとする。しかし遅刻で仕事をクビになり、途方に暮れていたところに、八百長ボクシングへの出場を持ちかけられた。ところがその試合の寸前になって相手は逃亡し、やむを得ず強力な相手と試合をする羽目に。あの手この手で攪乱しつつ必死で戦うが、あえなく敗れる。

浮浪者の男は途方に暮れていると、街で偶然酒に酔った富豪と再会し、彼の家に行き娘の事情を話すと1,000ドルもの大金を援助してくれた。しかし運悪く、室内には2人組の強盗も居合わせており、頭を強打され倒れた富豪を見て浮浪者は大慌てで警察を呼ぶ。警官が到着した時には強盗は逃げてしまい、意識を取り戻した富豪の酔いもすっかり覚めていた。警官に疑われた浮浪者は富豪の家から逃走する。翌日、浮浪者の男は花売りの娘に家賃と目の手術代として1,000ドルを手渡しその場を立ち去った。その帰りに男は無実の強盗容疑で捕まってしまう。

時は流れ、刑務所から出た浮浪者の男が街をとぼとぼと歩いていると目の治った花売り娘と再会した。娘は1,000ドルを自分に渡した恩人は金持ちの紳士だと思い込んでいるので、まさかこの浮浪者が恩人だとは思いも寄らない。そのまま立ち去ろうとする浮浪者の男に彼女は哀れみから一輪のバラと小銭を手渡そうとする。その時、男の手を握った娘はこの浮浪者こそが恩人であることに気付くのだった。男は困惑しながらも、かつての優しい微笑みを浮べた。

 

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こうして言葉にしてしまうと笑える要素が何処だったか判らなくなるのだが金持ち男とのやり取りやパーティ会場、それにボクシング場での試合風景、何れの場面にも笑いが凝縮されている。ラストシーンだって男の方は娘の姿を認めても盲目が癒えた娘は男の風貌は判らないわけでふと触れた指先が一気に記憶を呼び戻る、、そんな見事な演出振りである。

この終盤の演出は現代劇でも充分に使える手法だと思うのだがさて誰と誰にどんな手法で演技させたらこの名作を蘇らせる事が出来るだろう?