”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”太陽の中の対決”(67年)

この時代、60年代中頃から70年代初めの洋画はかなり見ているのだが邦題が”太陽の中の対決”だったとは知らなかった、、原題は”Hombre"(スペイン語で男って意味なんだが、、)これじゃ幾ら想像力を逞しくしても判らない。

NHKBSで放映されていたものを録画して置いたのだが。終盤の”対決シーン”は誰がどうなるのかかなりハッキリと覚えているので間違いなく見ているのだ。

主演のアパッチ族に育てられたジョンにポール・ニューマンが扮しフレデリック・マーチやマーティン・バルサム、リチャード・ブーンそれに実生活では最初のショーン・コネリー夫人だったダイアン・シレントが配役されている。それに監督が”寒い国から帰ったスパイ”のマーティン・リットでポール・ニューマンとは同時代に”ハッド”でコンビを組んでいる。

映画の背景は1880年代のアリゾナ州、やっと西部にも鉄道が敷かれそれまでは唯一の移動交通手段だった駅馬車も影を潜め撤退され始めた時代だ。そんな街へ先を急ぐ男女が集まり廃止になっている駅馬車を無理やり仕立てて乗り合い道中を行く一種の群像劇になっている。

 

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謎めいた金持ちの夫婦(F・マーチ)、新天地を求める若い夫婦、そして宿屋兼酒場の女主人(D・シレント)、それに北軍兵士から乗車券を無理やり奪った胡散臭い男(リチャード・ブーン)、ジョン(P・ニューマン)に御者(M・バルサム)の面々だ。

ジョン・フォード監督の名作、”駅馬車”を思い起こす設定で乗り合わせた乗客が物語が進むに従ってよじれてこじれてそれが憎しみに、欲に変わっていくと言う手法はそのまま継承している。

まあ映画としてはごく単純な展開で先の胡散臭いヤツは案の定、何処まで行っても悪人だった、何と道中先回りしていた仲間が3人いて彼らは駅馬車強盗犯だったのだ。そしてその謎めいた金持ちのおっさんは大金を所持している。その現金の出所は不明だがどうやらインディアン居留地に属するものらしく政府がインディアン保護区を守る為に捻出した資金をこのおっさんが持ち逃げしているようだ。

そんな展開で4悪人連合に襲われた駅馬車VS7人の乗客たちって事になる。しかし銃を撃てるのはジョンと御者と若い夫婦の片割れだけで彼らが廃坑になった炭鉱を舞台に食料、水なしで照りつける”太陽の中の対決”となって行く。

チョイと説明不足な箇所があって見る側は勝手に想像するっきゃない、。それに双方のキャラクターがとても個性ある、、とは言えず折角のポール・ニューマンにしても線が細いのだ。アパッチ族に育てられた、、と言うのだからもっと自然の法則に精通してても良さそうだし折角の悪人面のリチャード・ブーンだってもっと極悪非道でも良かったんだが、、それにラストはやっぱり主人公は殺さないで欲しい。

確かにこのマーティン・リット監督はハッピーエンディングにするより主人公が殺されちまうケースが多いなぁ~、、っとまあ異色と言える西部劇ではなかろうか?