”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ネービーシールズ”(12年)

同じようなタイトルの映画が沢山あるのでこれも当然見ているだろう、、と危うくパスするところだった。実際、アメリカの海兵隊や特殊部隊(シールズ)を描いた作品も多く古くはその前身でもあった”グリーンバレー”なんてのもあった。そこで一応原題だけは確かめておくかと検索したら”Act Of Valor”と言って”勇気ある行為”って事が判った。確かこれはオーストラリアじゃ劇場公開もされ評判が良かった海軍特殊部隊の内幕ものじゃないか?

で早速録画を、こんな時は便利だCMは飛ばせるし好きな時に止められる、、それに気に入らなければ途中からでも削除が出来るぞ。

 

f:id:guch63:20210423163259j:plain

配役陣は全く馴染みがない、、冒頭はCIAから極秘任務を受けて敵陣へおとり潜入している女性工作員、リサ・モラレス(ロゼリン・サンチェス)はコスタリカのジャングルで麻薬組織の一味に拉致され森林の奥地へ連れ去れてしまう。そしてその彼女の奪還作戦を命令されるのが今回の主演陣、ネービーの特殊部隊だ。ローク大尉を隊長とする部隊はパラシュート降下、そして空母から発進されて来た戦闘用のボート2台を援護に着け別ルートで河をくだりジャングルの奥地へ進んでいく。

おお、此処までは絶好調だぁ~、、緊迫感溢れ、敵の陣地がある森林の奥へ進み難なく敵の陣営に総攻撃をかけリサを奪還する事に成功する。全ての実写がまるでドキュメンタリー画面を見ているようで実に生々しい。これが好評価を得た訳だ、、ところが其処で終わってしまうと映画は短編ドキュメンタリーになってしまう。すると今度は別のプロットが用意されていた、、。

救助したリサの話からどうもこれは単なる麻薬組織の取引上の拉致事件じゃなかったらしい、。麻薬組織は今度はテロ組織と手を組んでナニか大きな仕掛けを企んでいる事が判明する。そして僅かな情報を頼りに今度はネービーシールズはアフリカ沖に浮かぶ敵のクルーザーに照準を合わせ新たな作戦を実施する。

何処にも知った顔がいないのでかなり現実感があって本当の作戦に従事している様子が更に緊迫度を増す。それに全てのシークエンスが実に丁寧に描かれている。終盤は麻薬カルテルの首謀者をやっと捉えるがイスラム系テロリストの首謀者がメキシコに居る事が判り今度はメキシコ湾経由でメキシコ軍との共同作戦を取る事に、。

どうやら組織では最新式爆弾テロを企てていてベストに仕込んだ爆弾は軽量、それに空港の探知機をも通れるスグレモノらしい、前後左右そして上下に500発だかの弾丸をまき散らしてから爆発する極めて殺傷力の高いものだ。準備されたこのベスト爆弾は17枚も完成している。それをメキシコからアメリカへ陸路で入り強制的にモスラム信者に着せてアメリカ各地の都会へ潜入させる事が狙いだった。

そんな展開でこりゃ見ている側も時間の経過をすっかり忘れてしまう程の秀作じゃないか?最初は邦題に”そうなんだ、、”程度の反応っきゃ起きなかったが見終わってこりゃかなりな映画だって事を再認識してしまった、。

って事は有名な俳優さんを使ったりせずとも秀作は出来るって事の証明だ。ウィキを覗いたら制作費が僅かに14億円程度でそれに対する収益が世界配給分を合わせて100億円近いらしい、こりゃプロデューサーは笑っちゃうだろうな?

まあアメリカ海軍のプロパガンダ映画みたいで制作費だってかなり実録フィルムを使ったりで端折っているがシールズ部隊の活躍をこうして描き実態をある程度見せてくれるってのは凄いもんだ、、日本じゃ自衛隊にこれは頼めないだろうな、。