”シェルブールの雨傘”(64年)再
このところチョイとばかりミュージカルに引き寄せられているがこのフランス映画はやはり外せない、。1964年に公開されたセリフが全部”歌唱”されたものでまさにミュージカルだった。主演はカトリーヌ・ドヌーブでご本人は19歳の頃、監督はジャック・ドゥミで音楽を担当したのがミッシェル・ルグランである。
フランス語の原題は”Les Paraplules de Cherbourg”で英語ではそのまま” The Unbrellas of Cherbourg”となっていた。英語の”えの字”、程度っきゃ判らない時にニューヨークにあ
る”Paris”と言う外国映画専門で上映していた。小さな小屋だったがこれを機に後年、この映画館には大分お世話になったもんだ。
幸い英語のセリフじゃなくて英語の字幕が下部に出るだけだったがそんなをモノ読んでいる暇はなかった、。ズンズン映画が進んで行くのでフランス語の歌詞を聞き流しているだけ、、まあ言っている事は判らなくても内容はしっかり理解出来た。
確か”ラ・ラ・ランド”でも使われていたのと同じ手法で4部構成だったかに分かれていて”出会い”から最後の”エピローグ”まで内容を追うというより音楽を楽しんでいたような印象だった。しかし19歳のカトリーヌ・ドヌーブは実に綺麗だった、、まさにこれがフランス人の典型と言うか映画の終盤は完全にパリジェンヌになっていた、、。
良く考えて見れば背景は1957年、アルジェリア戦争の真っ只中のフランスは若者に召集令状を送っていた。それを受け取ったギイ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)愛するジュヌヴィエーブ(C・ドヌーブ)を置いて入隊、戦後になって帰って来たら彼女は別な人と一緒になって幸せな家庭を築いていた、更には自分にも妻と子供が居ると言う設定はある意味、全員ハッピーエンディングじゃなかろうか?
これが”ひまわり”だと長い間、戦争へ言ったきり帰ってこないマルチェロ・マストロヤンニを待つソフィア・ローレン、、あの設定より間違いなく恵まれているような。
劇中、テーマとして使われていた"I Will Wait For You”、と言う曲はその後シングルカットされ多くのアーティストが歌っている。映画での歌唱は全編ドヌーブご本人じゃなくて別のプロ歌手だったそうだがこれはフランス語版の方が断然良い、。世界各国色々な語源があるがやはり女性の喋るフランス語は素晴らしい、、意味は判らなくてもよい。