”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”要塞”(70年)

この映画は不思議な事に邦題をそのままIMDbで”Yosai"として検索すると出て来る。その昔、見た時は確か”Hornet's Nest"だったんだが、、主演はロック・ハドソンとシルバ・コシナで背景は1944年のイタリア戦線、アリステア・マクリーン風な設定で戦線へ送り込まれたターナー(R・ハドソン)が思いがけない”援助”を受けて秘密裏にダム爆破の任務を遂行するってお話だ。

冒頭そのきっかけとなる出来事はレジスタンスへの報復のため、駐留ドイツ軍が村人を虐殺してしまう。虐殺を逃れた少年たちは、山中に身を潜め、ドイツ軍への復讐を誓う。丁度その敵地へ降下して来たターナーはその彼らの援助を受け互いに手を取りダムの爆破へと向かう。そんな14才以下の少年部隊の活躍を描いた戦争アクションなんだが若い彼らを戦争に駆り立て敵を殺傷する理不尽さと残酷な仕打ちにターナーは終盤、途方に暮れてしまう、、と言う反戦映画になっている。

 

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70年と言う事はロック・ハドソンが丁度50歳くらい、それまでコメディが多かったが”トブルク戦線”とか戦争、アクションでも活躍していた。代表作となると”ジャイアンツ”とかになるが芸歴はかなり古く40年代後半から出ている割にはイマイチこれだっと言う映画が少ないのだ。この映画の後にはテレビ界への出演が増え、映画もTV用中心で活動するようになってしまい僅か59歳で亡くなっている。

お相手になっていたシルバ・コシナクロアチア出身の女優さんでイタリアを舞台に活躍、ピエトル・ジェルミ監督の”鉄道員”(56年)に抜擢されその後、アメリカ、ドイツでも活躍するようになった。でもやはりアメリカ映画よりイタリアでの活躍が多くイタリアの女優さんと言うイメージだったのでアメリカ国内では知る人ぞ知るって印象なんだろうか?その彼女も残念ながら61歳と言う若さで亡くなってしまった。

この映画に関してはそりゃ年端のいかない少年たちがアメリカの兵士を助け自分たちの両親、更に虐殺された村人たちの復讐を果たすと言う視点は良いのだがドイツ兵に向けて機関銃をぶっ放すシーンが続くのにはチョイと抵抗を感じる。たかが映画の中での出来事とは言ってもされど映画、こんな事をしてた少年たちが将来まともな生活を送れるようになるんだろうか?そう考えたら後味が悪くなってしまった、。