”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”きみがくれた物語”(16年)

ありゃ、、これは100%邦画の邦題じゃなかろうか?原題は”The Choice"(選択肢)と至って簡単で何処にも”きみ”は出て来ない。まあしかしそのまま”チョイス”としなかった事は褒めてやりたい。でもどっちに転んでも絶対に自分からは見てないだろう、たまたま家内が収録しておいたものを”見ないならハードドライブから消して下さいよ”と言われどんな出だしかな、、となりそのまま111分固まってしまった。

その固まった出だしはある青年がノースカロライナ州のキレイな海岸線でモーターボートを走らせている。この近郊は東海岸でもかなり風光明媚な場所、多くの入り江が広がっていてアメリカじゃ有数の保養地が点在し年間を通じて気温も温暖で素晴らしい地域である。映画の内容より先ずこの舞台背景にやられた、、。

 

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そして次の場面ではその青年トラヴィスベンジャミン・ウォーカー)は片手に花束を持ち病院へ入って行く、、、其処で画面は一転、過去に戻って行く。このトラヴィス君、は獣医でパパ(トム・ウィルキンソン)と二人で繁盛している獣医医院を経営しているようだ。それも川面に面した場所に家を持ち庭にはボートが繋がれている。

そんな設定で休みには仲間を呼んじゃ沖へボートで出て釣り三昧か庭でBBQ、これは幾ら日本でキムタクが主演でも叶わない舞台設定じゃなかろうか?そして隣にある貸家へ引っ越して来るのがギャビー(テリーサ・パーマー)だ。彼女は病院の看護師見習いらしいが二人は一目惚れ、それに続く二人の関係は日本とマッタク同じだ。

つまり二人には夫々付き合っているボーイフレンド、ガールフレンドがいる訳でお話は一転二転、すれ違って、思い違いをして嫉妬してとお決まりのコース。この辺りはもう次にああなってこうなるぞ、、と思うとピッタリその通りになる。オレにはストーリーを見越す能力でも備わっているんじゃなかろうか、、と疑ってしまった。

しかし日本のロマンスドラマと違うのはそこからだ、、普通は二人がゴールインでジ・エンドだがこの映画では更にそこから奥深く繋がって行く。子供も男女二人授かり同じ場所で幸せな生活を謳歌している。そしてある晩、久し振りに夫婦で外食する予定でギャビーが先にレストランへ行くのだがトラヴィスは急患が入り止む無くその処置をする事になる。その先も絶対ああなってこうなるぞ、、と思う間もなく全くその通りの事態が、、そして冒頭に戻り、トラヴィスが花を持って病院へ、、。

久しくこんなラブ・ストーリーは見てなかったがそこからもう一捻りがあって最後には又、この風光明媚なノース・カロライナのウィルミントンの海辺へ戻って行く。今度は家族4人が揃って月と散らばった数々の星たちを眺めて本当のジ・エンドでした。

原題の”チョイス”ってのは人生色々な場面で自分の進む方向を”選択”しなくてはならん、その選択が間違っている場合だってあるし後悔もあるだろう。でも信念を持ち、自分で良かれと思う方向へ足を踏み出す、それが大切な自分の指針なんだぜ、と言う訳でした。別に”きみがくれなくても”自分だって与えているんだから一方通行にするなよ、、と言うのがボクの率直な意見でした、。