”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

ジェームズ・ボンドが死闘を演じた悪役たち

これまで制作された007 / ジェームズ・ボンドにはボンド・ガールズと同様に必ず悪役が出て来る。全25作品の中には初期の”顔出し”がなく白いネコを膝に抱えているブロフェルドやそんなに悪くなさそうな風貌や、見るからに悪そうだな、とか極悪非道なヤツもいた。お決まりはオヤブンの悪役、そしてその護衛として片腕になっている凄腕の殺し屋が登場するのが常だが最後は何時もボンドが敵を倒してジ・エンドだ。

 

そんな悪役から独断と偏見で”ベストファイブ”を選んでみた。

 

f:id:guch63:20211006154903j:plain

これは”スカイフォール”でボンドに立ち向かうシルヴァ、、演じたのはハビエル・バルデムで元諜報部員役、と言う事はジェームズの同僚だったって事になるが上司の”M"に対して恨み骨髄、MI6に対しても復讐に燃える役柄だった。映画、”ノーカントリー”では不思議なおかっぱ頭で不気味な殺し屋を演じたがこのシルヴァ役でも凄まじい悪役振りだった。

 

f:id:guch63:20211006154821p:plain

 

そして”スペクター”ではボンド・シリーズ初期からずっと宿敵として出ているエルンスト・スタブロ・ブロフェルドで演じたのはクリストフ・ヴァルツ、過去にはテリー・サバラスとかドナルド・プレザンスがこのブロフェルドを演じていた事があるがこの”スペクター”でのクリストフの悪役振りは見事だった。

 

f:id:guch63:20211006154846j:plain

こっちは映画、”カジノ・ロワイヤル”からル・シッフル、演じたのはマッツ・ミケルソンで冷静沈着な悪人役が実にぴったりと決まっていた。早い話、コイツも悪の組織、スペクターの一員でブロフェルドの部下って事になるんだがテロ組織から預託金を受け取りそれを倍返しすると言っては新鋭ジェット機を爆破し、株の暴落の間にしこたま儲けると言う荒っぽい手段を使う。

まあその爆破をボンドに阻止されテロ組織から預かっていた資金に穴を開けてしまいカジノでボンドを相手に大博打勝負となるのだが、、ダニエル・クレイグ版の007シリーズとしては最高に出来も良く、プロットが実に巧みに仕上がっていたように思う。

 

f:id:guch63:20211006154921j:plain

そしてこっちは殺し屋グラントで演じたのがロバート・ショウ。スペクターから派遣されて来たと言う設定、映画はショーン・コネリー時代の最高傑作、” ロシアより愛を込めて”、ブロフェルド役は後ろ姿だけで顔出しはないのだが元KGBのローザ・クレップと言うヘンタイババアの指示でロシア娘のタチアナ・ロマノバを使いイスタンブールロシア大使館から暗号解読器を盗み出させ二人で逃避行、挙句に駆け落ち心中した事にしてボンドを辱める筋書きを実行する為に送り込まれて来る。

ショーン・ボンドはこのグラントとイスタンブールから乗車したオリエント急行内で死闘を演じる訳だがこの狭いコンパートメント内での格闘場面はボンド映画の中でもずば抜けて素晴らしいシークエンスである。

とまあ色々な悪役がいる訳だが最後にもう一人、唯一(他にも女性の殺し屋がいたが)女性でボンドに身は任せても自分の信念は曲げられない悪役がいた。

 

f:id:guch63:20211006165040j:plain


ピアース・ブロスナン時代の”ワールド・イズ・ノット・イナフ”でエレクトラ・キングを演じたソフィー・マルソーだ。このエレクトラも大金持ちの父親を狙って自分が誘拐された過去がありその時に耳たぶを損傷している。結局自身は”ストックホルム症候群”で敵に感化されてしまいその時の対応の悪さは英国情報部のせいだ、、と思い込み悪の組織にのめり込んでしまう、、。

こうして毎回悪役が出て来るが原作者のイアン・フレミングはこれはウィットなのか他に意味があるのか、キャラクターに思わず吹き出すような名前を付けている。マネーペニーや古くはハニー・ライダー、プッシー・ガロアやドクター・グッドヘッド、ゴールドフィンガーやクリスマス・ジョーンズ、、それにこのソフィー・マルソーはナンとエレクトラ・キングと言う、、映画化に際して付けられた名前もあるとは思うが”M”とか”Q”とかもあるし、、ボンドが先に”Q”が引退し新任者に紹介された時も今度はキミが”R”じゃないの?っとか冗談みたいなセリフもあったっけ、、。