”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”レイトナイト 私の素敵なボス”(19年)

主演はエマ・トンプソンでイギリス人ながらアメリカで毎晩放映されているネットワーク系番組でリアルタイム・ショーを演じているメインキャスターのお話だ。日本にもその昔、大橋巨泉がキャスターを務める”11PM”とか言う番組があったが原形は”ジョニー・カーソン”が演じていたLate Night Showで随分と長い間、深夜番組の老舗として不動の人気があった。

その主演のキャスター、キャサリンを演じるのがエマ・トンプソンでニューヨークを舞台にしている。人気絶頂時にはそのワンマン振りはすさまじく気に入らない担当者はその場でクビ宣告をする始末、それに毎日ライターとして抱えているスタッフが10人近くいるのだが名前を覚えるのは面倒で、、と言う事で全員に番号が振られている。

そんなワンマンキャスターにも人気の陰りがやって来る、即ちマンネリ化だ。それにスタッフは男性陣ばかりで女性の視点から見たジョークとか話題が乏しいと上層部から指摘を受けてしまう。其処で女性スタッフを採用する事にして全く放送界とは縁も経験もない新人を抜擢する。そして応募して来たのがモリー(ミンディ・カリング)と言うインド系の女性だ。

 

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この辺りの演出はロバート・デ・ニーロが新人社員として採用される”マイ・インターン”に似てなくもない、、あっちはアン・ハサウェイが社長で其処へシニア・インターン社員として採用されてくるデ・ニーロに古き良き仕事の進め方や人との関わり方を学んでいく、、と言う設定だったが此方は女性の観点から新しい視聴者獲得に舵を取ると言うお話だ。

男性ばかりの社会に女性ならではの視点から新風を吹き込む事に成功するかどうか、、更には番組の打ち切りを宣言されたキャサリンは上層部に対してどんな手を打つのか、。まあハラハラドキドキする展開ではないが劇中、英国イングリッシュと判るキャサリンが立て板に水が如く相手を圧倒するセリフ回しは見ていて気持ちが良い、。

キャサリンのご主人、ウォルターを演じているのがジョン・リスゴーで何時も悪役専門だと思ってたらこの映画ではすっかり角が取れちまって苦悩するキャサリンの良き理解者として好演していた。

映画は中盤からはもうこれっきゃないだろうと想像される方向へ、モリーは悪戦苦闘しつつ男性社会で持ち前の管理能力を発揮して徐々に視聴者が喜ぶ演出やジョークで番組の人気も挽回して行く。局の上層部にも認められ番組内でのキャサリンの対応もすっかり以前のような毒舌振りから方向転換、視聴率もアップして局ではキャサリンとの契約も更新する事になる、、と言うめでたしめでたしのエンディングでした。