”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”L.A. ギャングストーリー”(13年)

こりゃ期待以上の映画だった。総体的には”荒野の七人”が土台になっていて背景とロケーションは”L.A.コンフィデンシャル”(映像の色合いもそうだが邦題だってかなり意識してる)、そしてストーリーは”アンタッチャブル”そのまま、、あっちはシカゴだがこっちはロス・アンジェルスで双方特別に作られた所轄精鋭の警察官が悪に立ち向かっていくと言う構図になっている。

時代は太平洋戦後の1940年代後半、ロスは元プロのボクサーで戦争から帰還したミッキー・コーエン(ショーン・ペン)が牛耳っている。それも警察内部にまでワイロを使いどっぷり、判事さんまで言いなりと言う具合で麻薬、売春、銃器、賭博と何でもござれの総合商社みたいだ。

 

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そのコーエン城を制圧する為に市警部長のビル・パーカー(ニック・ノルティ)は特殊部隊を作りそのボスとして任務に就くのがジョン・オマラ巡査部長(ジョッシュ・ブローリン)だ。

面白いのはその精鋭部隊を作る為にロス市警に在籍する優秀な警察官リストからメンツを選び出すのは奥さんが主導する。その辺は”荒野の七人”並みにナイフの達人、電子器具に精通したヤツ、凄腕の拳銃使い、と特技を生かすのはこりゃ常套手段かな?

あの映画でスティーブ・マックイーンの役柄に一番近いのがジェリー(ライアン・ゴスリング)で馴染みの靴磨き少年がコーエン一家がクラブ襲撃事件を起こした際に凶弾に倒れた事から復讐を誓ってこの特殊部隊に参加する。

此処まで舞台設定は”L.A.コンフィデンシャル”そっくりそのままで進行して行く。最初にこの特殊チームがコーエンの違法賭博場を襲う場面は”アンタッチャブル”とまるでそっくり、、あっちはご禁制の密輸酒を摘発すべくカポネの倉庫へ乗り込むが空振り、、それがそっくり再現され、こっちは仲間の巡査部長二人がバーバンク市警の刑務所へ送り込まれる失態を、。

それから中盤以降、コーエンの情婦として出て来るのがグレイス(エマ・ストーン)で今度はライアン・ゴスリン&エマ・ストーンで”ラ・ラ・ランド”がミュージカルなしで再現されて行く、。

過去の作品を見ていると全てが何処かに納まるのだがこりゃもうしょうがない、演出がカブってしまうのはありがちだしこの手のギャング撲滅作戦じゃ過去に使われた手法は繰り返される。

でも冒頭、市警部長に呼び出されて極秘チーム編成を任されるジョン・オマラ役のジョッシュ・ブローリンは”ボーダーライン”で麻薬戦争撲滅のチーム編成を任された時とそっくりだった。でもやはり終盤、犠牲者は出るがコーエンを殺人で起訴する事が出来てめでたくハッピー・エンドに、。スピード感がありあの当時の雰囲気を継承しつつ最後まで楽しむことが出来た期待以上の秀作くんだった。