”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”折れた矢”(50年)

原題は”Broken Arrow”と言うのだがそれをカタカナで表記した”ブロークン・アロー”って邦題の映画もある。ジョン・ウー監督でクリスチャン・スレータージョン・トラボルタ主演で96年に公開されたテロ犯罪を描いた映画だった。

こっちはジェームス・スチュアート、ジェフ・チャンドラー主演の正統派西部劇で先住民族でも狂暴とされていたアパッチ族、そしてその部族から独立してもっと恐ろしい種族になっていくジェロニモ誕生の秘話にもなっている。

 

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舞台は1800年代後半のアリゾナアパッチ族と米国陸軍、そして白人達が激しく対立している時代だ。物語は主演のトム(J・スチュアート)が金鉱を探しにやって来るところから始まるが彼のナレーションでストーリーが語られて行く。

荒野を移動中に助けたアパッチ族の若い青年との交流から族長のコチーズ(J・チャンドラー)と知り合い白人として受け入れて貰い更には和平交渉に尽力するお話でトムは若いアパッチ族の娘、ソンシアレイと恋仲になり人種差別を乗り超えて彼女の両親にも祝福され結婚までする事になる。

アパッチと白人の闘争をやめさせ互いに平和に共存する道を探るのだがこんな場合、双方には必ずやそれを良く思わない連中がいる。インディアンの方はその族長コチーズに反旗を翻すのがジェロニモを名乗る一派で白人の方は家族を殺された町の有力者だ。

彼らの動向を丁寧に扱っていて間に入って苦悩するのがトムとコチーズ、、アクションは余りないがその二人とソンシアレイの運命を描いて最後までイッキに見せてくれるかなり良質の異色西部劇だった。

アパッチの族長、コチーズを演じていたジェフ・チャンドラーはその昔、”全艦発進せよ!”(56年)と言う戦争映画で戦艦の艦長を演じていた。後年、知ったのだが背景は1943年の日本軍との海戦が舞台だ。

 

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その艦長は頑固一徹の厳しい戦争軍人、艦内では部下と意見が食い違い揉めるのだが終盤、ゼロ戦の体当たり作戦の前に戦艦は大きな被害を受けてしまう。

その破壊された戦艦の指揮を執りやっと自軍基地の軍港(ハワイの真珠湾?)が遠くに見えた時に絶命してしまうと言う誠に責任感の強い艦長ぶりだった、、敵は日本海軍だと言うのにこの映画の印象と結末は今でも鮮明に思い出せるし当時の少年心には強烈なインパクトを残してくれた。

公開された時期から逆算するとまだ小学生高学年だったんじゃなかろうか?恐らく映画と英語に目覚めたのはその時かも知れない。ついぞ学業に関してはそれ以降も目覚めた記憶がないのだが、、。