”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ナイト・サバイバー” (20年)

原題は”Survive The Night"と言うのだが昭和の時代だったら絶対に”夜を生き抜け”って邦題じゃなかろうか?最近の映画だが劇場公開には至らずいきなりビデオだったらしい。一昔前なら配役にブルース・ウィリスとあれば間違いなく一般公開されていたのにと思うと時の経過は残酷だ、、。

 

 

 

ジャンルとしてはクライムサスペンスなんだがIMDbやその他、映画関連の寸評ではビックリする程に評価が低い。まあその理由は判らないでもないのだがこれも残念な結果である。素人のオレが見ても演出、脚本にはダメ出しを押したくなった。でも気が付いたら途中で止める事無く最後まで結構ドキドキしながら見てしまった。

映画の主人公となるのはバカで無知で狂暴で後先を考えない救いようのない兄弟二人組だ。その二人が何処ぞで強奪事件を起こし2万ドルかの現金をカバンに入れてトンずら中、メキシコの国境を目指し国外に逃げてしまう計画らしい、。

兄貴よりもっとアホな弟がガソリンスタンドで給油中にレジにあった現金に目がくらみ店主を脅すのだがライフルで抵抗され若い女性を人質に逃走しようとする。気配を察して店内へ入って来た兄貴が流れ弾を足に受けてしまいおまけに人質にした積りの女性を撃ってしまう。

其処までは理不尽でバカな二人だがテンポ良く歯切れも良かった。そして左足を撃たれた兄貴を助けるべく奮闘するのだが病院へ行く訳にも行かず今度は殺人と強盗事件両方で追われる事を察し近所で見かけた夜間診療のクリニックへ行くのだが、。

夜の診療は終了です、、と告げられ二人は帰宅して行く医者の後をつける。その医者がリッチ(チャッド・マイケル・マーレイ)と言うのだが自身が犯した診療ミスから遺族に訴えられ都会の職場を追われ今は無一文、ド田舎の農家で父で保安官だったフランク(B・ウィリス)に母親と奥さん、娘の5人でひっそり暮らしている。

そんな静かで平和な生活を満喫している一家の元へやって来たのがそのアホな兄弟で一家を人質にして兄貴の足の治療をさせようとするのだ。ありそうな話で弟は狂暴性を発揮して嫌がるリッチを急き立てて手術させる、、さあこの一家は無事に窮地を脱する事が出来るのか?そして結末は如何に?

確かにチョイと無理っぽい設定ではあるが兄貴には良識があっても弟は粗野で野蛮、こんなヤツを相手に保安官だったフランクが立ち向かえるのかっと言うお話だった。

憎たらしい犯人像は良かったがイマイチ兄弟の心情が判らない、劇中大金を持ってメキシコへ逃げて海岸に家を建てるとか言っているが2万ドルじゃそりゃ無理だろうし計画性の一切ないこの二人には追われて国境周辺で追われて一巻の終わりになりそうで犯罪者としての心意気が感じられないのだ。

せめて監督は何で兄弟はこんなに間が抜けているのかそんな犯罪者生活をするっきゃ能がないのかメッセージみたいなものを示して欲しかった。