”面白い”映画に出会った。面白いと言うのはワハハッ、じゃなくて賢いと言うか”巧い”と言うかそんな意味だ。英語の題名が”Love Crime"(10年)で邦題が”ラブ・クライム、、偽りの愛に溺れて”と言う副題まで付いている。フランスの原題は”CRIME D'AMOUR”で全編フランス語だった。
ジャンルとしてはミステリー、、犯罪ものと言うか所謂完全犯罪に挑戦する若きエクゼクティブ・キャリアー・ウーマンのお話である。
ストーリーは;
パリにある、とある一流多国籍企業。イザベル(リュディヴィーヌ・サニエ)は、上司で重役のクリスティーヌ(クリスティン・スコット・トーマス)のもとで若き女性幹部として働いていた。お互い才能を認め合ってはいたものの、イザベルがクリスティーヌの恋人フィリッペとカイロ出張に行ったことで状況が大きく変化する。イザベルは華々しい業績をあげただけでなく、フィリッペと関係してしまったのだ。それを知ったクリスティーヌはイザベルのアイディアを横取りしたり、徐々にイザベルを排除しようとする。次第にイザベルはクリスティーヌに対して殺意を抱く。 by allcinema
見終わって配役の詳細を調べていたら何と、この映画の公開から僅か2年後の12年にはかのブライアン・デ・パルマ監督が同じ設定の映画をリメイクしていた。
アメリカ版は見てないので(イヤ~、、何となく見た覚えがあるような、)IMDbの評論を読む限り断然フランス版の方が評価が高いのだが何故か日本ではWOWOW配信で劇場公開はなし、でもリメイク版は”パッション”と言う邦題で一応劇場公開されたらしい。これは多分に監督の知名度かな??
こっちのストーリーは;
狡猾で野心にあふれたクリスティーン(レイチェル・マクアダムス)は、ニューヨークに本社を持つ世界的広告会社のベルリン支社で働く女性エグゼクティヴ。その優秀な部下イザベル(ノオミ・ラパス)は、新規の案件で斬新なアイデアをひねり出し、クリスティーンから任されたロンドンでのプレゼンを成功に導く。ところがクリスティーンはその手柄を横取りし、ニューヨーク本社への復帰を勝ち取ってしまう。その後もクリスティーンの心ない仕打ちに苦しめられ続けるイザベルだったが…。
by allcinema
となっていて殆んど舞台は違うものの同じ展開である。恐らく最後の”決着”も同じだったんじゃなかろうか、、じゃないと辻つまが合わなくなるし、。
思えばこうやって時期を近くして同じような映画が米仏で制作されるケースがある。女性暗殺者を描いた”ニキータ”(90年)はルック・ベンソンのヒット作で主演がアンヌ・パリロー、ジャンヌ・モローだった。それが今度は”アサシン”(93年)になりブリジット・フォンダ、ガブリエル・バーンを主演にしてアメリカを舞台に制作された。これも何故かフランス版の方が評価が高いのだが、有名な原作があってそれを映画化したケースとは違うのだが同じような時期に同じような設定の映画を作ると言うのは、、例えばマックの近所にケンタを開業する、、又は、セブン・イレブンの近所にはファミマあり、、と同じ手法でより確実に観客動員を狙えると言うことなんだろうか??
更にデンマークで映画化された”ドラゴン・タトゥーの女”(11年)、これもアメリカへ渡りダニエル・クレイグとノオミ・ラパスで公開されているし我ら日本の秀作だってリメイクされた作品が多くあるぞ。”Shall We ダンス?”なんてのもそっくりだったし同じリチャード・ギアでは”ハチ公物語”だってある。
何れもジャンルとしては好きなので何回作ってくれても良いのですが、、。