”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

スピルバーグ監督、”ブリット”(68年)をリメイク

オリジナルの”ブリット”はスティーブ・マクイーンの代表作でピーター・イエーツ監督に取っても恐らく最高傑作と言えるのではなかろうか?60年代のサンフランシスコを疾走するブリット刑事のムスタングと追う殺し屋二人組の乗るダッジ・チャージャーのカーチェイスは迫力満点で今でも”フレンチ・コネクション”のポパイ刑事の追跡劇と並び映画史に燦然と輝いている。

 

 

その刑事ドラマの名作をスピルバーグ監督がブラッドリー・クーパーを主演に据えてリメイクすると発表された。これで”ウェスト・サイド・ストーリー”に続き60年代の名作を連続してリメイクする事になる。

個人的にはそんな名作に再挑戦するよりスピルバーグのブランド名を駆使してもっと斬新な構想で新しい映画作りをして欲しいのだがダメなのかな?

まさかオリジナルと同じ背景、舞台、設定って訳には行かないだろうがならば”ブリット”ってタイトルじゃなくても良さそうな気もする。しかしリメイクとならばカーチェイスは外せないし、仕事に厳しく、無口で寡黙なブリット刑事像はそのまま継承するきゃなかろう?

オリジナルではシカゴのギャング団組織の金庫から大金を盗みサンフランシスコへ逃げて来た会計担当の男が議会で証人喚問に出席するのを援助する上院議員と市警、ブリット刑事との対立が横糸になりその証人を抹殺する目的で送られて来た殺し屋と死闘を演じるストーリーだった。

その背景には当時の裏社会、犯罪を利用して自身の出世に利用としようとする上院議員が三つ巴の絡み合いを演じる訳で犯罪憎し、しかしそれさえも利用すべしと言う明確なテーマがあった。それを現代に持って来るとなると構図はトランプ元大統領VS古き良き民主主義社会って事にでもなるのか?

まあその辺りはどんな構図になるのか興味はあるのだが果たしてブラッドリー・クーパーがスティーブ・マクイーンの魅力に迫れるのか?先の”ウェスト・サイド・ストーリー”でベルナルドを演じたデイビット・アルバレズがオリジナルでベルナルドを演じたジョージ・チャキリスの足元にも及ばなかったのと同じ事になるのではないかと心配である。