”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

爆笑映画館とスタンディング・オベーション

映画館へ入って予告編や本編が始まる前に大笑いした事があった。見た映画は”裏切りのサーカス”だったので確か2011年の9月頃だったと思う。今のようにネットで席を買ったり、指定席だったりする以前なので上映時間を確かめ、窓口のおねいさんに見たい映画を告げて現金を出す方式だった。

 

 

何時ものようにボクの指定席、後方真ん中に確保したのだがその映画館は真ん中に通路があり左右に進んで席に着いた。そしたら前列を同じように右側へ進んで行くデカいおっちゃんが目に着いた。そのオージー、しきりに ”excuse us”と言いながら行く、何せデカいので席に着いている人達は一旦立ち上がらないと通れない。

 

もう館内は8割がた埋まっているので立つ方も大変だ、。だが待てよ ”excuse us”って言ってなかったか?するとそのおっさんが立ち上がった人たちに”thank you, thank you”と言いながら”mrs”が後から来るんだよ、そっちの方がオレよりデカいからね、、っとか言っている。そしてそのご婦人の登場だ、両手にそれ全部食うの?と言うくらいのバケツ状のポップコーンを抱えている。

 

確かにおっちゃんが関脇ならこっちのおばちゃんは大関だ、そしてやっと座ろうとしてた人達を再度立たせて旦那の後を追って一番奥の席へ軟着陸した。この経緯に同列と後方列の観客から大爆笑が起こったのだ。まあご本人はウケを狙った訳じゃなくごく自然に振舞っている姿が妙に和やかで我々も思わず噴き出したと言う訳だ。

 

そしたら今度は係員が数人の客と最前列へ出て来て”皆さん、この回は満席です。何処かお隣に空席はないでしょうか?”と言い出した。するとすかさず別のおっちゃんが後方から”お~い、此処に一席なら空いているぜ、、でも若い女性の専用席だがね、、”とやったもんだから又もや場内が大爆笑に包まれた。

 

これがオージーのアスタマニアーナ精神だと気が着いたがユーモア満点なやり取りは映画以上に笑えた。館内を見まわすとどうも近所の老人ホームから団体で来ているのかと思う程にオールシニアだったがその2時間後には全員がこの傑作スパイ映画を堪能して笑顔で席を立って行った事が懐かしい、、。こんな経験は日本じゃ出来ないんだろうな、と映画館を後にしたものだ、。

 

それと年代は遡るのだが映画のエンディングを見ながら満席の観客が全員立ち上がって拍手喝采をした場面を、、映画は”ロッキー”、最初にスタローンが主演したスポ根もので連日映画館は満席の状況と伝え聞いていた。映画館はハリウッドのもっと北側でウェストウッドと言う町、普段からUCLA分校がある事から学生街として有名なところ。公開されたのが1976年なので確かその秋口だった気がする。

 

 

日本じゃ入場券を買うのに映画館に並ぶのだがあっちは入場券を買ってから列に並ぶ方式だ。すんなりと券が買えたので”おお、こりゃラッキー、空いているじゃないか?”と思いきや冗談じゃない、。まだシネコンになる前の単独映画館だったが何とその周りを2周も並んでいるじゃないか。

 

もうとてもその回には入場出来ず次の回へ、そして大満足して見終わった途端、館内の全員が立ち上がって拍手喝采、これにはビックリしたものだ。それまで映画館で見終わった後に大拍手するなんて経験はなかったぞ。エンドロールが出ている間、ずっと拍手が鳴りやまない。無論オレも一緒になって拍手していたものだ、、、。