どうも最近、映画館は無論だがTVでもじっくりと腰を据えて観戦する気力が失せている気がする。もう脚色された作品は見たくない、、と言う訳でもないのだがどうもツッコミ所が満載の技法にはうんざりして来ていると言うのが本音かも?
映画の世界なんだから何でもOKとは思っているがやはり撃たれても死なない、10人に囲まれて銃撃戦になっても主人公だけはかすり傷一つ負わず生き残る、、さっきまでニューヨーク市内のセントラルパークでカーチェイスしていたのに角を曲がったら其処はもうバテリーパークの海辺だった、、何てのを見せられているとかなり白けてしまう。
そんな時に出会ったのが正統派ドキュメンタリー映像だ。これは毎回録画しているNHKオンデマンドで放映されている”映像の世紀バタフライエフェクト”と言うシリーズでボクのストライクゾーンど真ん中を射止めた”戦場の女たち”である。
第二次世界大戦以前に遡り世界の軍隊で躍進的な活躍を遂げている女性兵士が主人公たちである。最初の一人はソ連軍のスナイパー、リュドミラ・パブリチェンコ敵対するドイツ軍の兵士を狙って公式記録には309人の狙撃を成し遂げたらしい。そして二人目はナチスの天才飛行士、ハンナ・ライチュで戦争末期にゼロ戦でも有名になったが急降下爆撃の技術の開発に携わっていた。
そして最後は連合軍のノルマンディー上陸作戦の成功を陰で支援していた連合軍側の女性スパイたちである。この設定は過去には何度なく映画化されているし女性をヒーローとして主人公に持って来るには最適の逸話である。
実際には20人以上の多くの女性たちがイギリス国内に集められ過酷な訓練を受け戦地へ潜入、そして現地のレジスタンスと連動してノルマンディーへ続く主要幹線道路、鉄橋などを破壊してドイツ軍が集結出来ないように爆破工作を受け持っていたようだ。
半数近い女性兵士は帰らぬ人となっているのだが終盤、記録映画のインタビューに答えて”愛する祖国を守る為に立ち上がりました”と述べているのが実に印象的なエンディングだった。それがこの長い年月を経て同じ言葉をウクライナの女性兵士が今この時代に語っているのを見てやるせない気持ちになってしまった。
即ち人間がいる限り争いは続く、、過去の大戦を経ても人間ってのは何も学んでいないのではなかろうか?先のハンナ・ライチュは戦後もヒトラーを心底崇め胸には何時もクローケンハイツの十字を誇らしげに着けていた、、。現代のソビエトの女性兵士たちはプーチンを同じように崇めているとしたらそれは違うでしょ、、とは誰にも言えない?