”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”リドリー ~退任警部補の事件簿~” (21年)

原題は”Ridley”と主人公の姓名だけだがつい昨年、イギリス本国で放送された本格的犯罪ドラマだ。これまでの刑事モノとは違い主人公が妙に私立探偵っぽくてイギリスものとしては珍しくハードボイルドっぽい作風だ。

 

主人公を演じているのはエイドリアン・ダンパーでフルコーラスで渋い歌声まで聞かせてくれる。その設定が変わっていてこの早期退職を勧告されたリドリーはジャズクラブの50%を持つ共同オーナーでこよなくジャズを愛する元刑事として活躍するのだ。

ある事件で愛妻と娘を亡くし失意のどん底だったがかつての部下が昇進して所轄の担当署長である事から顧問として捜査に手を貸してくれとの要望で難事件に対処する事になったようだ。全部で8話あり毎回、前編、後編(夫々一時間)で完結する。

 

実は最初の2話を見逃したのだがある事件で容疑者を逮捕、終身刑が言い渡された人物と前後してリドリーが不在の日に自宅が放火されあっと言う間に全焼してしまう。ところがあろうことか全く関係のないリドリーの奥さんと一人娘が焼死してしまいその犯人探しがメインプロットになっていた。

そして逮捕され刑務所にいる犯人の弟が別の殺人事件で容疑者となりその真相究明が付録みたいな形でリドリーの捜査対象になって行く。孤独なリドリーを象徴するようなジャズのメロディーに乗って物語が進んで行くのだがこの辺りはイギリスで”ヴェラ 信念の女警部”や”バーナビー警部”を手掛ける脚本家が担当しているだけあって手慣れたもので最後の真犯人確保まで一気に見せてくれる。アメリカの作品で出て来るジャズとは微妙に違うのだがやはりこんな孤独な主人公にはジャズが良く似合う。

シーズンが4話くらいだとあっと言う間に見終わってしまう。さて次のシーズンはあるのか、、もうこれっきりなのか?もっと継続しないかと心待ちにしているのだが、、