”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

トーマス・ベケット VS ヘンリー国王二世

イメージ 1この二人が主演、ピーター・オトウールがヘンリー国王二世、リチャード・バートンがトーマス・ベケットを演じる65年度制作の史劇、”ベケット”である。
 
リアルタイムでニューヨークはブロードウェイ、確か47丁目辺りだったと思うが70mm劇場で見た記憶がある。但し内容はもうすっかり、、遥か”ショーナイッケの空”で記憶にない、、。そこで改めて昨晩じっくりと見せて貰った、、要するに当時数多く制作されていたイギリス史劇である。1162年頃のおハナシなのだが当時のイギリス国王、ヘンリー二世が無二の親友トーマス・ベケットを自分の側近に抜擢し更にカンタベリー教区の大司教にまで抜擢するのだが後年、信仰の自由さを巡って醜い対立を起こしベケットは国王の部下に暗殺されてしまう、、までを2時間半に渡って二人の世界を描いた大作である。
 
双方がっぷり四つに組んだ横綱相撲と言うか殆どこの二人が出ずっぱり、、オスカーにもノミネートされたが重厚でまるで舞台劇を見るような素晴らしい演技であった。当時はロクに英語も判らず字幕の出ない画面を見ながら何がどうなって何でそうなるのか、、恐らく10%も理解出来ていなかったと思う、、しかしこの二人の演技はしっかりと覚えていたな、、。
 
今回こうやって見ると英国史劇を生粋のイギリス人俳優が演じている訳だからその英語にも違和感は全くない、、まあ当然当時の言い回しやら発音、表現は現代風に置き換えられてはいるが安心して見ていられる。これがクレオパトラやローマの兵士がアメリカ英語を喋っていたりすると何となく、、、、な気分になっちまう。アメリカ映画は西部劇、イギリス映画はこんな史劇が一番似合うかな、、。
 
65年のオスカーではこの二人が主演男優候補になっていたが(同じ映画からノミネートされると二人共ダメなケースが多い)やはり残念ながら同じイギリス組で”マイ・フェア・レディ”のレックス・ハリソンへ、作品賞も監督賞も全部”マイ・フェア・レディ”に行っちまった、、、更に残念なのはオードリーはノミネートもされず、ジュリー・アンドリュースが”メリー・ポピンズ”で雪辱を果たし受賞、、舞台で散々イライザを演じたのに映画化ではオードリーに主演を持っていかれてしまったし、、。