”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”ダイアモンドヘッド”(62年)

この映画、主演はチャールトン・ヘストンで”ベン・ハー”(59年)や”エル・シド”(61年)等で史劇の主人公を演じた後の事、当時40歳くらいだった。共演したのはイヴェット・ミミュウーやジョージ・チャキリス、、彼は前年”ウェスト・サイド物語”で助演男優賞を取っているのにこの映画に、。

イメージ 1タイトルの”ダイアモンドヘッド”はワイキキの一番東にある”小山”、そんなに高くないが実にハワイを実感させてくれる風景だ、でも実際にはこの映画のストーリーとは全然関係ないんだがなぁ~、、。ピーター・ギルマンと言う作家が書いた小説が元ネタだが今になって再見するとこりゃもう昼のメロドラマって雰囲気の映画だった。

登場人物は、、”キング”(C・ヘストン)で三代続くパイナップル農園の当主。大金持でワシントンDC、首都で上院議員に立候補する意欲満々の野心家。

イメージ 2スローン(Y・ミミュウー)はその妹で本土で大学を終えてハワイへ帰って来る。

ポール(ジェームス・ダーレン)は”キング”家の使用人の息子でハワイの血を引く好男子、スローンと結婚の約束をしている、、。

ドクター・ディーン(G・チャキリス)はポールの兄貴、立派な医師としてハワイで活躍している。

フランス(マイ・チェン)、”キング”の愛人で農園の外に住まわせている。

っとまあこんな人物が登場するのだが、、島へ帰って来たスローンがポールと婚約披露のパーティを開こうとする辺りからキングは面白くないのだ。ぶっちゃけ白豪主義者で使用人の息子と結婚したいなどと言い出すスローンが許せない。しかし自分じゃチャイニーズの愛人を囲っている、そんなで風光明媚なハワイを背景に物語が進んで行くのだ。

史劇じゃないのだがこの映画でも実に強いチャールトン・ヘストンは健在、この主人公のように白人優遇を取り多くのファンからもそれに賛同を得ていたんだろうな、と想像出来る。確かに実社会に於いても全米ライフル協会の会長を務めていたし史劇以外の西部劇や戦争ものでも同じように強いキャラクターを演じていたっけ、。

これは以前にも書いているのだが、、確か時期は82年頃、場所はハリウッドの近く当時はビバリーウィルシャー・ホテルと呼ばれていたホテルの別館入口付近。ワタシが所用を終えロビーから外へ出ようとして回転ドアを避け引き戸のガラスドアを開けると丁度向こうから恰幅の良い紳士が入ろうとしていた。日本男児として入る人を優先するべ~、、とそのドアを支えていると何とその紳士はチャールトン・ヘストン様だった。しかし実にデカいのだ、茶色っぽいツイード上着姿で晩餐会に出席と言う感じではなかったがもうオーラ満開でこっちも腰を抜かす程に驚いた。

しかもそのヘストン様、、普通なら”サンキュー”とでも言いそうなのにニコッと笑顔で”Much Obliged!"だと、、とっさの事で意味も判らず此方はただ頷くだけ。あや~、、ハリウッドの大物ともなると”サンキュー”何て軽いノリの表現はしないんだ~と更にびっくりの一瞬でした。その”Obliged"と言うのは”ありがたく思って、とか感謝して、、”っと言う意味だってのはその晩、しかと辞書で確認致しました。

ああ~、、映画が遥か彼方に行っちまった、、まあそんな”キング”氏映画の中ではチャイニーズのフランスとの間に男の子を授かるもののフランスは出産時に亡くなってしまいスローンは婚約パーティでひょんな騒動から婚約者のポールが事故死、そして兄貴のドクター・ディーンと相思相愛に、、キング兄からも勘当されその産まれたばかりのキングの息子を養子にしてディーンと三人で去って行くのです。

やっと自分が何をして来たのかその理不尽さを悟ったキングは乳児のゆりかごを持って(まあそれを使用人に持たせて走るのですが)三人を追っかける場面で”The End"でした。最後まで見て以前に見ている事は一切記憶にありませんでした、、。