”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”マグニフィセント・セブン”(16年)

やっとこさ見て来ました”The Magnificent Seven"、無論元ネタは黒澤監督の”七人の侍”、それがハリウッドでリメイクされ、タイトルは”荒野の七人”制作されたのは60年の事である。当時の有名どころ、ユル・ブリンナースティーブ・マックイーン、チャールス・ブロンソンジェームス・コバーン(この三人は”大脱走”も一緒)、ロバート・ヴォーンからホルスト・ブッフホルツ、、そして監督が大御所ジョン・スタージェスだった。

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そして”新・マグニフィセント・セブン”は、、、何で”荒野の七人”じゃいかんのかな、、すべてカタカナ表記にしなくて良さそうなもんだが、幾ら時代の流れとは言っても”マグニフィセント”ってのは未だ認知度が低いような気がするのだが、、先のアンジョリーナの”マレフィセント”と混同しないのか??日本公開時の邦題はてっきり”新・荒野の七人”と信じていたのにこのカタカナ化には肩透かしを食らったよ、、。

今度の舞台はメキシコ近郊じゃなくて西部真っ只中、時代は1879年、カリフォルニアの州都サクラメントから馬で3~4日かかる場所でしかも金鉱の近く、、その開拓地の土地を買い占め住人を追い出しに掛かっている悪いヤツ、ボーグに町民は怯えている。傍若無人にならず者仲間を引き連れて来ちゃ”お前ら土地を安く売って出て行け~、、”を連発している。そんな設定なので今回はメキシコ系の貧しい町の農民って訳じゃない、。

主演はデンゼル・ワシントンクリス・プラットイーサン・ホーク、等で監督がアントワーン・フークワとこれまでデンゼル・ワシントンとは幾つもコンビを組んでいる。そして悪い方のボス、ボーグに扮するのがピーター・サースガードである。

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映画は実に巧みにプロットが組み立てられ夫を殺されたエマ(ヘイリー・ベネット)が町からカンパして集めた資金を懐に”凄腕助っ人”を探しに出る箇所もスムースだ。最初にサム(D・ワシントン)と出会うのがラッキー、、で彼のツテでどんどん仲間が増えていく逸話も幾らどうなるか判ってはいても画面に惹きつけられる。

オリジナルでは”この飯、おろそかには食わんぞ!!”と言う有名なセリフがあるのだがこの映画ではそんな象徴的で格言めいた事は誰も言わないし後世に残るようなシーンもない。集められた”七人”が開拓者と交わって説教するよりライフルの撃ち方や肉弾戦を教えるのみ、、アクション映画に徹している。

それでもサムが最初”我々を助けて、、”とエマに懇願され割と簡単に承知しちまった理由が、、、、最後に判明するなど、見所は満載である。七人の個性と得技がもっと全面に出ても良かったしどうやってもあのボーグ、、は極悪人に仕立て上げるには無理があるような、でも後半一気にクライマックスへ、。これはもう凄い、これでもかこれでもか、そりゃカーチェースがある訳じゃないし街中を疾走するのとは違うのだがフークワ監督の独壇場である。

要所要所、、何となくオリジナルに敬意を払ったのかと思わせるような音響効果もあるのだが最後のエンドロールで”荒野の七人”のあのテーマ曲が大きく流れた時は立ち上がて拍手しようかと思ったよ、、これは感激の場面でした。そしてエマのナレーションが流れる、、、そこでハタとこの邦題を”マグニフィセント・セブン”にしたヤツの才覚を褒めてやろうと思った。やるじゃん??

出だしの30分くらいは昔、アイツがユル・ブリンナーだったし、あっちはスティーブ・マックイーンだった、、それにたまげたナイフ投げの達人はジェームス・コバーンだよな~、、臆病神に吹かれるのはロバート・ヴォーンだし、、血気盛んな若造はホルスト・ブッフホルツだったよな~、とどうも以前の配役と比較してしまうのだが中盤に差し掛かる頃からもう比較はやめた、と言うかこっちの展開が忙しくて比較している暇がなくなった。

黒澤監督の構想はそのままに派手なアクション映画に仕上がっている事は間違いない、それもかなり完成度の高い、最近では余り作られなくなってしまった西部劇になっている。これは電話や人に邪魔される事なく映画館での鑑賞をお勧めします。

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