”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

”麒麟の翼”(12年)

やっと邦画に辿り着いたと言う印象だ。平成の時代はたまに行く”ブリスベン日本映画祭”(毎年開催)で上映されるものに限定されていたし札幌にやって来ても話題作とはトンと縁がない。別に避けている訳じゃないのだが俳優陣にも馴染みがないし、元ネタがアニメとか漫画と聞くとじゃあ次回にしようとなかなかその気にならなかった。

それが一転、コレは東野圭吾の原作(三部作)でしっかり読んでいるし好きなミステリー仕立ての犯人探し、主演が阿部寛と来れば見てみようと相成った。まあ犯人は知っているしどんな展開だったかもうろ覚えだが老いたアタマの片隅に残っている。

これまでキリンと聞けばビールっきゃ思いつかなかったんだがこれを機会にしっかり漢字も覚えるか?でも将来、使う事はないだろうなぁ~。

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東海道国道一号線の起点、日本橋の橋の上にもたれかかる男を巡回中の警官が目撃する。男の脇腹にはナイフが刺さっていてどうやら男は瀕死の状態で橋に辿り着き力尽きたようだ。その後、男は病院で死亡してしまう。

日本橋の所轄刑事、加賀(阿部寛)と本庁から呼ばれた相棒も参加して事件の捜査が始まる。そんな中で事件直後に職質を掛けられた不審な男が現場から逃走中にトラックにはねられ、昏睡状態に陥っていることが分かった。所持品には死んだ男のバッグや免許証があり捜査本部では”ヤツが犯人か?”と色めき立つ。しかし駆け付けた同棲中の中原(新垣結衣)は”彼が人殺しをするはずがない”と否定する。

一方、被害者が部長を務めていた会社では労災隠しが発覚し、その責任が被害者にあることが報道されてしまう。そんな構図で縦糸と横糸が交差した状態の中、被害者家族は一転して世間・学校からのバッシングにさらされてしまう。果たして、若い男は犯人なのか。被害者はなぜ瀕死の状態で日本橋まで歩いてきたのか。加賀と松宮はその真相に挑んでいく。とかなり本格派なストーリーになっている。

背景や構成は民放局で放映する”〇〇サスペンス・ドラマスペシャル”なんだがやはり演技陣はかなり違うしそりゃエキストラの数だって断然多い、、音楽効果だって半端じゃないし制作費の違いはビシビシと伝わって来る。

時代はそりゃ大きく違うのだがじゃあ名作”砂の器”と比較すると(そんな事はしちゃいかん)やはり幾ら多彩な配役陣でも今西警部と吉村刑事は超えられなかった。何がそんなに違うんだろう??”そりゃ全部さ”、、っと言われりゃ”ハイその通り”、と言い返すっきゃないのだがどうやったらこの麒麟はもっと天高く羽ばたけたんだろう?

余談ですがこのアベちゃん、、所轄の刑事や本庁捜査一課の刑事役より断然単独行動で生計を立てている”プライベート・アイ”の方が似合うんじゃないだろうか?”私立探偵”と書いちゃうとどうも”札幌のバー”に転がっていそうなので、、。うん、次作は確か”祈りの幕が降りる時”だったんじゃないか?そっちは見た記憶があるのだが。