”オールド・シネマ・パラダイス”、、時々新作も

長年”映画と愛猫とオーストラリア”だったが札幌へ軟着陸し愛猫も亡くしこの新タイトルで心機一転だ。

ゴーン・カルロス・ゴーン、、

自身の人生のなかで過去に”この人の語学力は凄い、、”と本気で感心した事が何回かあった。その一人は遠くアフリカはナイロビに駐在されていた某日本の紡績会社支店長だ。もう半世紀も昔の話だが実に巧みな英語を操っていた。決してバイリンガルと言うか英語を母国語としているような流暢な発音ではないのだが語彙が実に豊富で頭脳明晰、当時イギリスから派遣されていた英国人工場長以上に的確な単語を操り発音の悪さを補って余る程にその理解力と英語の表現力は素晴らしかった。何せ技術的な事も含めその工場長が英英辞書を引いて単語を調べていたくらいでありゃ本物の英語通だった。

もう一人は若い女性だったが此方は完全なるバイリンガル女子、帰国子女でアメリカやヨーロッパのインターナショナル・スクールに在籍していた結果、目を瞑って聞いているとその発音には微妙な英国訛りまであって素晴らしい英語力だった。確か当時同時通訳を目指していたが恐らく最短距離にいたんじゃなかろうか?アレは日本語の能力にかなり高度な理解力が求められるし政治経済文化とあらゆる分野に精通していないと瞬時に言葉が出て来ない、単に英語の発音が良いから、、って訳には行かないのだ。

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何でこんな事を思いついたかと言うと、、カルロス・ゴーンがその背景にある。今回の大騒動を見聞きして恐らく日本の司法界には彼を言葉で打ち負かせる日本人はいないのではないだろうか?っと忸怩たる思いなのだ、、。

外国人で日本語を当たり前に操る弁護士は大勢いるしワタシもそんな人たちとこれまでやり合って来たケースがある。そんな弁護士なら母国語の英語やフランス語で日本の検察側の人間として彼と対等にやり合えると思うのだがそんな人が登場して来たケースはなかったようだ、、うん、オレが知らないだけか??

それにしても彼のような幼少期を送り語学も英語を始め複数操れる、実はその背景は単に語学力の差ではなく立派に信念を持って自己主張が出来るか否か、それに掛かっているのだ。我々にもっと近い例として香港に在住するチャイニーズ、、彼らは実に激しく自己主張をする、それが間違っているかどうかは別にして早い話、口八丁手八丁じゃないと世の中を渡って行けないのだ。

彼らの多くは喋り出すと止まらない、後年ニューヨークの大学、其処のホテル学科へ留学していた事があるがそんな彼らを目にしてどっぷりサラリーマン生活に浸かっていたワタシには強烈な刺激になった。何せ講義が始まったばかりだと言うのに”自分は何月何日にホテル学科の〇〇学部を終業するのでそれ以降雇って欲しい、、”と開講するなりあちこちにあるアメリカのホテル事業所へ履歴書を送りつけているのだ。

これはもう”自分は何が出来るから、”、って以前の問題で笑っちゃうのはそんな事を書いているうちに本当に自分でも出来ると錯覚してしまうのだ。この心理状態と就職への執念たるや絶対に日本人には真似が出来るものではなかった、。

これは推測だがあのカルロスだって幼少期から自己主張しなければ生きていけない環境、、それはちょっと大袈裟か、、でも世界各国から来ている種々雑多な民族の中で少しでも優位に立ち、良い環境を得て出世するには他人を押しのけて生きて行くっきゃない。

その一番最初の手段として磨きを掛けなければいけないのが自身の口から語る言葉なのだ。そして上昇志向の環境の元で、国籍だって複数取得、企業の階段を上り続け上級職から管理職、そして最後はフランス企業を経由して日本へ、、と海千山千でやってのけて来たツワモノだ。恐らく居丈高に直接的に言葉で相手を言い負かす、興に乗り身振り手振りで相手が口を挟む余裕もない、そんな雰囲気がありありと目に浮かぶ。

相対する日本側は人種のるつぼを体験する訳でもなく国立大学経由で外国の強者とは交わる事もなしにひたすら単一民族集団限定で司法試験を目指して来ている、、同じ日本人同士、そりゃ言わなくても判るべ~、、的な”あうん”の呼吸だって存在する。

そんな温めの学業を経ただけじゃカルロスには太刀打ちなんて出来る訳がないのだ。幾らAIだ、、自動翻訳機だ、と言ってもそんな弁護士や検察の人間が通訳者を交えてカルロス・ゴーンを問い詰めてもそんなモノは彼にしてみりゃ”屁の河童”だったと容易に想像出来る。

今回の記者会見からもそんな日本の相手をこ馬鹿にしている様子はありありだ、、問題なのはそんな輩の主義主張が独り歩きしてしまい諸外国では”日本の方が悪い”って印象を植え付けかねない、うん、これってお隣のK国とのゴタゴタにも通じているんじゃなかろうか??こんな場合は日本国は悠長に構えていないでK国を見習って各国へ情報発信し我が国の主義主張はしっかり通さないといかんのだ。このネットで情報が飛び交う時代に正義を貫いておれば何時か世界は判ってくれる、だなんてのはもうとっくに忘れた方が良い、。

さてこれで”ゴーン・カルロス・ゴーン”、、だなんて脱出劇をハリウッドで映画化でもされたら日本はもっと笑いものになる、ゴーン一家にしてみりゃ日本には帰る意思も未練も予定もさらさらある訳はない、でも検察殿、”逃げ得”だけは許すなよ、まあスイス銀行の全預金が泡と消えるってのもオモシロいが、どうでしょう、合法的に出来ないものか??